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『シャン・チー』腕輪テン・リングスのデザイン、インフィニティ・ストーンの影響あった ─ 最大のポイントは「カンフー映画」

シャン・チー/テン・リングスの伝説
©Marvel Studios 2021

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)最新作『シャン・チー/テン・リングスの伝説』は、そのタイトルが示すように、伝説の腕輪“テン・リングス”がキーアイテムとなるストーリーだ。主人公シャン・チーの父親であるシュー・ウェンウー(トニー・レオン)は、この腕輪を操り、世界に危機をもたらす陰謀に手を染める。

MCU Directでは、テン・リングスを実写映像化するにあたっての一工夫が明かされている。コミックのテン・リングスは両手の指に一本ずつ装着する指輪だが、映画では腕輪に変更となった。これについて、プロデューサーのジョナサン・シュワルツ氏は、インフィニティ・ストーンとの類似を回避する意図も「少しはあったと思います」と語っている。

もっとも最大のポイントは、10本の指それぞれに指輪をはめるというアイデアが「実際にやってみると間抜けに見えるのではないかと思えた」ことだったという。これまでにもMCU作品では、コミックのアイテムやモチーフを映像化するにあたり、実写作品としての説得力をもたらす改変が施されてきた。テン・リングスの場合、デザインにインスピレーションを与えたのは“カンフー映画”というジャンルそのものだった。

「デスティン(・ダニエル・クレットン監督)やデイヴ(・キャラハム:脚本家)と一緒に『少林寺三十六房』(1978)という映画を見ていたら、カンフーの訓練をするモンタージュにいろんな武器が出てきて、その中に洪家拳の鉄の腕輪があったんです。昔ながらのカンフーの武器で、『カンフーハッスル』(2005)でも目立っていたので、みなさんも覚えているかもしれません。その時、デスティンが“テン・リングスはあれにするべきだ”と。」

実際の腕輪とは異なり、『シャン・チー』に登場するテン・リングスは青色に発光する。しかし、そのベースにあるのは実在する拳法のリアリティだ。シュワルツ氏は、監督の判断は「完全に正しかった」と述べている。「ユニークかつクールで、映画の焦点を合わせるためにもふさわしかった」との言葉からは、本作をカンフー映画として作り上げようという製作陣のこだわりもうかがえるだろう。

映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』は2021年9月3日(金)全国公開

Source: MCU Direct

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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