Menu
(0)

Search

【ネタバレ】『ザ・スーサイド・スクワッド』衝撃オープニングに隠されたウラ事情とは

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結
© 2021 WBEI TM & © DC

この記事には、映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』のネタバレが含まれています。

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結
© 2021 WBEI TM & © DC

オープニングは『プライベート・ライアン』で

『ザ・スーサイド・スクワッド』に登場するキャラクターの数を知った時、「いくらジェームズ・ガンとはいえ、本当に大丈夫なの?」と思った方もいるかもしれない。今回、スーサイド・スクワッドのメンバーとして決死の任務に挑むのは、実に総勢14人。132分という上映時間の中で、全員の出番をうまくさばき切れるのか……。しかし、その懸念は、冒頭で文字通り吹っ飛ばされることになる。

ミッションの舞台となるコルト・マルテーゼ島に海岸から上陸したのは、隊長のリック・フラッグをはじめ、ハーレイ・クイン、キャプテン・ブーメラン、サバント、T.D.K.、ウィーゼル、モンガル、ジャベリン、ブラックガードの9名。ところが、海岸からの上陸計画は敵に完全にバレていた。次々に敵兵の銃撃を受け、ヘリコプターが森の中から飛び出し、一行はまたたく間に全滅してしまう。ひとまず生き延びたのは、ハーレイ・クインとリック・フラッグだけだった。

プロデューサーのピーター・サフランは、「この映画のオープニングはだいたい『プライベート・ライアン』(1998)」だと語る。このシーンを撮影するため、プロダクション・デザイナーのベス・ミックルらは巨大なビーチのセットをスタジオに建設。ミックルは参考にした作品として、『プライベート・ライアン』のほか、『プラトーン』(1986)と『ブラックホーク・ダウン』(2001)の名も挙げている。

この巨大セットのおかげで、“可能なかぎりCGではなく実写で撮りたい”というガンのこだわりは実現された。俳優陣はブルースクリーンの前ではなく、本当に水の中を泳いで海岸に上陸し、砂の上を走り、岩陰に隠れたのである。シーンとしては決して長くないが、撮影には10日間を要した。ちなみにガンは、企画当初から“全滅オープニング”をワーナー・ブラザース側に提案。いわく、ワーナーの幹部陣も「(このシーンの)キャラクターはずっと映画に出てくるものだと思っていた」という。

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結
(C) 2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM&(C)DC Comics

スケジュールの問題を乗り越えて

ガン監督は米Varietyにて、このオープニングで散っていった俳優たちが、このアイデアを「みんな面白がっていた」と語っている。参加したのは、サバント役のマイケル・ルーカー、T.D.K.役のネイサン・フィリオンといったガン作品の常連者から、ブラックガード役のピート・デヴィッドソンをはじめとする初タッグの顔ぶれまで。実は、このシーンに参加した出演者の中には、スケジュールの事情を抱えたキャストもいたという。

「ネイサンは(出演を)本当に喜んでいましたね。ドラマ(『ザ・ルーキー 40歳の新米ポリス!?』)をやっているので、あれ以上の出番だと出られなかったと思います。彼はすごく情熱的な男で、スーパーヒーローになることに興奮していましたね。それから、ピートもスーパーヴィランを演じたがっていましたが、(当時は)『サタデー・ナイト・ライブ』の撮影がありました。だから、小さい役としてオファーしたんです。」

出番はわずかだが、ピートが演じたブラックガードは“すべての始まり”となる役目を担う。もともと、ガンはブラックガード役に別の俳優を考えていたというが、結果的にはピートをすっかり気に入ったそうだ。「脚本のセリフを自分なりのスタイルで言えるのは、すごい強みだと思います。ロバート・ダウニー・Jr.のアイアンマンと同じですよ」とまで言っているのだから、大絶賛とはこのことだろう。「それほど長くは出てこないのが残念ですけどね」。

ちなみに、ガンが愛してやまないマイケル・ルーカーも自身の役柄には喜んでいたそう。ガンはルーカーの役目について、「映画冒頭の主人公。観客はサバントの視点から出来事を見るわけだから、ちょっと大きな役です」と強調。やはり出番こそ多くないものの、長年の信頼があったからこそ任せられた役柄なのだろう。ちなみにガンは、現在のルーカーについて「マーベルに出て、DCに出て、それから『ワイルド・スピード』にも出てますよね。あとは『スター・ウォーズ』に出ないと。それで完全制覇でしょう」とも話した。

映画『ザ・スーサイド・スクワッド ”極”悪党、集結』は全国公開中。

あわせて読みたい

Source: Collider, Variety

Writer

アバター画像
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly