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ハリウッド版『AKIRA』、「実現を諦めない」とタイカ・ワイティティ監督

AKIRA タイカ・ワイティティ
[左]Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/36201776766/ [右]Photo by Rodrigo Kore https://www.flickr.com/photos/opk/86104140/

『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)『ジョジョ・ラビット』(2019)のタイカ・ワイティティ監督が、ハリウッド実写映画版『AKIRA』の製作を今でも望んでいることを明かした。

大友克洋の漫画『AKIRA』は、長らくハリウッドにて実写映画化が企画されており、2019年5月にワイティティ監督が正式就任。2060年の東京を舞台に、原作に忠実な映画化、日本人のティーンエイジャーの起用を目指していたが、正式発表のわずか約2ヶ月後、2019年7月に企画保留が決定した。

その後、ワイティティは『AKIRA』について「僕が2年後にどうなっているかはわからないし、(『AKIRA』は)最終的に実現されるでしょうが、僕が関わるかはわからない」とも話している。しかし、保留からちょうど2年後にあたる2021年8月、英Wiredにて、ワイティティは今でも意欲があることを認めた。

「僕は今でも実現させようと思っています。(『AKIRA』を)諦めたくはない。」

ワイティティは『AKIRA』の脚本開発に長い期間を費やしてきたとされるが、企画保留の決め手になったのは、まさしくその脚本作業やキャスティングの難航だったという。スケジュールの遅延により『AKIRA』を断念し、ワイティティは『マイティ・ソー/ラブ&サンダー(原題)』の製作に移行。製作のワーナー・ブラザースは、ワイティティが『マイティ・ソー』を作り終えた際には再び『AKIRA』に迎える意志だと報じられていた。

現状、ワイティティが『AKIRA』にカムバックできるかどうかは未知数だ。『マイティ・ソー/ラブ&サンダー』を撮り終えたワイティティには、『スター・ウォーズ』新作映画や、『チャーリーとチョコレート工場』に基づくNetflixアニメ、『フラッシュ・ゴードン』実写映画版、そのほか複数のテレビシリーズなど多数の企画が待機中。コロナ禍以前に完成した『Next Goal Wins(原題)』の公開も控えている。多忙なスケジュールが確約されており、『AKIRA』に戻れるタイミングがいつになるかはわからないのである。

大友克洋の漫画『AKIRA』は、新型爆弾によって崩壊した東京に誕生した新首都「ネオ東京」を舞台に、暴走族のリーダー格である金田と、その親友であり、事故によって超能力に覚醒した鉄雄を主人公とする物語。軍が秘密裏に隠していた超能力者「アキラ」を解放して世界を征服しようとする鉄雄を止めるため、金田は戦いに臨んでいく。1988年には大友自身の手でアニメ映画化された。

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Source: Wired

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。