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【ネタバレ】「ホワット・イフ…?」第2話、なぜサノスはああなった? ─ 脚本家が語るウラ話、ネビュラの「チャチャ」呼びも

ホワット・イフ…?
(C)2021 Marvel

この記事には、「ホワット・イフ…?」のネタバレが含まれています。

 ホワット・イフ…?
(C)2021 Marvel

第2話『もしも…ティ・チャラがスター・ロードになったら?』での分岐のきっかけは、ヨンドゥ率いるラヴェジャーズがピーター・クイルの代わりにティ・チャラをさらってしまったこと。ラヴェジャーズのもとで育ったティ・チャラは「ラヴェジャーズは独りで動かず」と何度も口にし、その正義感は変わらずともすっかりラヴェジャーズの一員として任務を全うしていた。

このエピソードでは、ある驚きの事実が明かされた。テーブルを囲み、祝杯をあげていたラヴェジャーズは、これまでで成し遂げた最高の仕事を自慢しあっている中で、ひとりが「サノスが生命の半分を…」と指パッチンのことを口にしようとすると、そこにサノス本人が現れ、こう告げたのだ。「私は大人だ。考え直せる」と。つまり、この世界線では、サノスの指パッチンは実行されず、生命の半分も消えずにすんだということだ。

ヘッドライターを担当するブラッドリーによれば、この衝撃案を構想していたのは、『アベンジャーズ/エンドゲーム』が公開を迎える「数週間〜数ヶ月前」のことだという。世間がサノス軍とアベンジャーズの2回戦を待ちわびていた中、「ホワット・イフ…?」チームは、そんな心配も無用な“指パッチン無き世界”を構想していたなんて……。それはさておき、ブラッドリーは米Discussing Filmに当時の裏話を話している。

「その時には、私たちは『エンドゲーム』を観させてもらっていました。なので、サノスをめぐる議論も大きくのしかかっていたんです。正直に言えば、本シリーズの残りで、サノスは活躍してきません。ここ(第2話)で、“このユニバースでも指パッチンがされたのか?”というサノスをめぐる疑問には十分に答えましたから。私たちは、“もしティ・チャラがこの男を説得して、結果的に大量虐殺が答えではなかったんだ”ということになったら面白いのでは、と思ったんです。私たちが適当に言っていたジョークだったんですけどね。

ブラッドリーが語ったように、劇中で指パッチンを思いとどまった理由について、「あの時、ティ・チャラが諭してくれた」と話していたサノス。これにティ・チャラは「時として話し合いは最大の武器となる」と続け、雄弁ぶりを見せていた。

サノスがヴィランではなくなったことで、ブラッドリーは「たくさんの恩恵をもらいました」と話す。「サノスがいなくなって、権力の真空が生まれたわけです。“自然は真空を嫌う”と言いますが、だからコレクターが支配を強めてきたんです」。この通り、サノスの後釜として勢力を増した筋骨隆々のコレクターが登場。ティ・チャラたちは、ブロンドヘアーのネビュラによって提案された、コレクターが持つ代物の奪還ミッションに乗り出していった。

指パッチンが起きなかったこともさることながら、ティ・チャラとネビュラの関係性に目を引かれた方もいるだろう。ネビュラはティ・チャラを「チャチャ」と呼び、2人は親しげであった。MCUの史実では、スター・ロードはガモーラと結ばれるはずだったが、なぜティ・チャラ版スター・ロードはネビュラとの組み合わせになったのか。ブラッドリーはこう語る。

「ガモーラとティ・チャラはあまり合わないんじゃないかと思ったんです。ガモーラとピーター・クイルはすごくお似合いですからね。ファンもお気に入りのペアを引き離したくなかったんです。一方で、ネビュラにも思いついたことがありました。“もしも彼女が普通の子だったら、10代の後半はどんなものだったんだろう?”と考えたんです。それから、彼女とティ・チャラが冗談を言い合ったり、強盗映画のような味わいも出したりすることに決めました。彼女はある意味、『オーシャンズ11』のジュリア・ロバーツ的な存在です。

『インフィニティ・ウォー』『エンドゲーム』ではサノスに散々苦しめられたネビュラだが、この世界線ではどこか伸び伸びと人生を謳歌していた印象だった。映画版から続投したカレン・ギランも、違う声色でネビュラを再演し、ブラッドリーの言葉を借りれば「キャラクターにさらなる深みをもたらした」と言える。さらに、ブラッドリーによれば「チャチャ」というティ・チャラの愛称も、カレンの提案によるものだったという。「彼女はアドリブをやってくれて、すごく楽しかったので、他のシーンでも“もっとやって”ってお願いしたんです」。“もしも…?”が発想の源というだけあり、裏話がたっぷりなのも「ホワット・イフ…?」の楽しいところだ。

「ホワット・イフ…?」はディズニープラス(Disney+)で独占配信中。

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Source: Discussing Film

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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