さようならブリジット!どうかお幸せに!『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』レビュー

映画『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』感想

2001年の一作目 2005年の二作目
あのラストを経て幸せな道を歩んだのだとばかり思っていた彼女が、11年の時を経て再びスクリーンに帰ってきた。
今ではTV局のプロデューサーへと出世したブリジット(レニー・ゼルウィガー)であるが、43歳の誕生日を一人で過ごしていた。
マーク(コリン・ファース)とは破局、既に他の女性と結婚。
ダニエル(ヒュー・グラント)はまさかの事故死。
独身の同僚とつるんでばかりいる日々を過ごしていた彼女は、ある日フェスイベントで出会ったIT企業のイケメン社長 ジャック(パトリック・デンプシー)と一夜だけの関係を持ってしまう。
その数日後、離婚協議中のマークと再会したブリジットは こちらでもまた関係を持ってしまう。
そして発覚する妊娠
どちらが子どもの父親なのか どちらの男を愛するべきなのか、二人の男の間で揺れ動く。
11年経とうとも根本は変わらないブリジットを、不器用ながらも真っ直ぐに愛を 幸せを追い求める女性の姿を描いた作品だ。

あなたやぼくが2005年から11年もの時を過ごしてきたように、ブリジット達も同じだけの時を過ごしていた。

あなたにも ぼくにも ブリジットにも、様々な変化があっただろう。
その時間の流れによる変化が、過去二作同様に 等身大の女性の姿を感じさせてくれた。
ぼくらと同じ人間なのだと納得させてくれた。

これまでと同じく男女の三角関係が軸にありつつも、今作では原題にある「Bridget Jones’s Baby」が話の肝となっていた。

過去二作を観ていた頃には独身であった女性も、今では結婚して親になっているのではないだろうか。

過去二作のDVDを昔貸してくれた姉も当時は独身であったが、今では結婚して子どもがいる。

そういった方にとって、ブリジットに訪れる出来事 その葛藤はより身近なモノに感じられるのだと思う。

笑えるし 明るい雰囲気が常に漂っているから忘れがちになるけれど、起きている現象は終始昼ドラ(これってもう死語?)のようにドロドロとしていた。

邦題には「ダメな私の最後のモテ期」とあるが、モテ期云々は正直関係なかったように思う。
それに、自分が親の可能性があると聞いて放っておける男なんていやしない。

すべての元凶はブリジットだし
軽率な彼女の行動の数々が状況を悪化させてばかりだし
普通だったら最悪な女だと彼女に嫌悪感を抱いてしまう。

でも、ぼくらはブリジットのことを嫌いになんてなれない。
これまでの彼女を知っているからということもある。
でも、理屈では言い表せない部分もある。
恋愛に絶対がないのと同じように。

どんな最悪な状況になろうとも、彼女を応援せずにはいられない。

それはもしかしたら、彼女と観客が隣り合わせの存在であるからかもしれない。
彼女を応援するということは、自分を応援するということに直結するからかもしれない。

20代前半の頃、初めて「ブリジット・ジョーンズの日記」を観た。
当時のぼくにはピンとこなかった。
32歳なんて遥か先のことだし、彼女が抱える葛藤にもリアリティを感じられなかった。

今作を観るにあたり、ぼくは久々に過去二作を観返した。
30歳になったぼくには、どれもこれも身近な話でしかなかった。
今まさに直面している問題でしかなかった。

43歳はまだ先のことになるが、今のままだときっとブリジットと同じ道を辿る気がする。

自らが辿る可能性のある道を歩む彼女のことを、同質の想いを抱える彼女のことを嫌いになんてなれっこない。

二人のどちらが父親であれ、ただ彼女に幸せになって欲しいと願いながらスクリーンを眺めた。

ブリジットとの再会はもう望まない。
どうか幸せな毎日を トラブルとは無縁の日々を過ごしていて欲しい。

永遠の幸せを!
さようならブリジット!

最後の最後まで笑顔の絶えない作品でした。
ぜひ劇場でご覧ください。

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映画アドバイザー 元俳優 ライター 映画イベントMC。Instagramを中心に最新映画から懐かしの映画まで幅広く紹介。「ファイトクラブ」 「GO」「男はつらいよ」がバイブル。好きな監督はウディ・アレン。お仕事のご依頼はa.safety.pin.storm@gmail.comまでお願い致します。

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