ハンス・ジマー日本を語る ─ 来日公演記念、単独ロングインタビュー
「NO」と答えたくなるんですが、その一方で、今ちょうどドゥニ・ヴィルヌーヴと仕事をしていて、彼も私の音楽が変わったと思っているはずなんです。以前よりオープンになったし、危険なアイデアを試してみる勇気が出た。だって、映画は映画ですから(笑)。大勢の観客を前にして、リアルタイムでステージに立つのとは違う。ライブの観客は生きていますからね。しかも、私に向かって投げられる物を持っている(笑)。

──今回のショーでは、過去の楽曲にも新しいアレンジを加えていますよね。現在のハンス・ジマーが何十年も前に書いた曲を振り返ると、「今ならこう書くな」と思うことはありますか?
ありますよ。実際、少しだけそういうこともやりました。あちこちに小さな調整を加えています。でも何より大きいのは、私がミュージシャンたちとものすごく密接に仕事をしているということです。たとえば、日本人チェリストのMarikoがいるんですが、私は彼女のことが本当に大好きなんです。私がこれまで書いた中でも最高だと思っている曲のひとつは、彼女と、その周囲を囲む合唱だけで演奏します。
そして彼女が、とんでもないドレスを着るんですよ。あんなドレス、見たことがないと思います。私も嫉妬するくらい(笑)。まさに女王です。
私たちは本当によく理解し合っていると思います。文化的にはまったく違う場所から来ているのに、それでも私は、彼女とは兄妹のような関係だと強く感じています。
──Marikoさんは昨年の公演でも素晴らしい存在感でした。今回もステージに参加しますか?
もちろんです。
──良かった!やっぱり彼女が必要です。
Marikoなしで家を出るなんて考えられませんよ(笑)。

──日本のファンが今回の公演に向けて、事前に1曲だけ聴いて気分を高めるとしたら、どの曲をおすすめしますか? その理由も教えてください。
今だったら……何でしょうね。最近クリス・ノーランとよく話しているからかもしれませんが、『インターステラー』は今聴いてもすごく良いと思います。難しい質問なんですよ。自分の音楽については、いつだって「もっと良くできたはずだ」と思ってしまいますから。だからこそ、今でも書き続けている。『インターステラー』は好きですし、『インセプション』の「Time」も好きです。まあ、悪くない曲はいくつかあります(笑)。とにかく純粋に楽しくて、おバカなものがいいなら『パイレーツ・オブ・カリビアン』ですね。
──どれも大好きな曲です。楽しみです。
今回、『パイレーツ』には新しいアレンジがあります。ものすごく大胆に変わっていますよ。世界最高のギタリスト、ガスリー・ゴーヴァンが手がけたんですが、面白いのは、ガスリーが自分のパートをいとも簡単そうに弾くところなんです。音符が1,000個くらいあるようなパートなのに(笑)。その横で、ほかのみんなが必死になって彼についていく。
でも、みんなそれが大好きなんです。素晴らしいミュージシャンから挑戦状を突きつけられるというのは、良いことですから。


























