ジョージ・ルーカス「AIは未来だ」 ─ 「車はいろいろな問題がある、戦車になって人を殺すようになると言うようなものだ」

『スター・ウォーズ』生みの親ジョージ・ルーカスが、映画制作における人工知能(AI)の活用に前向きな考えを示した。AIによって映画は作りやすくなると歓迎し、懸念があったとしても「それが進歩であり、未来」だと語っている。
ルーカスは英A Rabbit’s Footのインタビューで、フィルムからデジタルへの移行を拒む映画人について言及。映画とは特定の撮影技術ではなく、動く映像によって表現する考え方そのものだとの持論を述べた。こうした技術観の延長として、話題はAIへと移っている。
「AIによって、私たちは映画をずっと簡単に作れるようになります」とルーカス。「これは、ここに座って“やはり馬と馬車こそが一番だ。自動車は故障するし、ガソリンも必要で、いろいろな問題がある。そのうち戦車に改造され、人を殺すようになる。ひどいものだ”と言っているようなものです」と例えた。
自動車は事故や戦争にも結びつくが、その危険性を理由に技術の普及を止めることはできない。ルーカスはAIも同様だと考えているようだ。「どうすることもできません。それが進歩であり、未来なのです」と話している。
もっとも、インタビューで問題点について追及されると、ルーカスもAIに危険性があることは認めた。そのうえで、AIによって生じる問題の一部は、AIそのものを使って対処できると主張している。
「何かが偽物であることや、それがどこから来たのかを教えるAIが欲しければ、AIにはそれができます。人間にはできません。私たちはそこまで賢くないんです。」
生成された画像や映像が本物かどうかを判定し、出所を追跡する技術にもAIを利用できる、という考えだ。ルーカスは同時に、AIを使った行為であっても、その責任を負うのは人間だと強調している。
「大事なのは、人間である以上、自分の発言や行動に責任を持つということです。違法なことをしたなら、その行為について罰せられるべきです。何をしたとしても、誰が行ったのかが明らかにされるべきです。現実の世界と同じことです。」
AIをめぐっては、映画人の間でも意見が大きく分かれている。ギレルモ・デル・トロは、AIを「使うくらいなら死んだほうがマシ」とまで述べており、人間とイメージの関係を脅かす存在として強く拒絶している。
『スパイダーマン』シリーズのトム・ホランドも、AIはデータを分析できても、人間の経験や感情、他者とのつながりは理解できないと指摘。「AIには魂がありません」と語り、人間による表現は代替できないとの立場を示した。
ルーカスの盟友であるスティーヴン・スピルバーグは、ロケーション探しなどの実務ではAIを活用できるとしながらも、脚本や演出など「創造的なことにおける最終判断」に使ってはならないと線引きしている。
一方、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のギャレス・エドワーズ監督は、AIをカメラやCGIに匹敵しうる道具として評価。企画開発やアイデアの検討に役立つとしつつ、AIには「味覚がまったくない」ため、使い手である監督の判断が欠かせないとも話している。
『マッドマックス』シリーズのジョージ・ミラー監督も、「芸術は進化しなければ」とAIに前向きだ。写真の登場後も絵画が消滅しなかったように、AIも芸術表現を変化させ、資金を持たない作り手にも映像制作の機会を開く可能性があるとしている。
ルーカスの姿勢は、こうした映画人の中でもAIを積極的に受け入れる側に近い。危険性がないとは考えていないが、技術の進歩自体を止めるのではなく、偽物の識別や責任の明確化によって対応すべきだという立場である。
インタビューの終盤、ルーカスは映画や演劇、絵画を含む芸術について「感情を伝える媒体」だと改めて語り、スピルバーグとも「最後に売っているのは感情だ」と常に意見が一致していたと話した。映画を作る技術が変わっても、観客に届けるものは変わらないということだろう。
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Source:A Rabbit’s Foot




























