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スピルバーグ「AIはツールとして使うべき、クリエイティブの最終判断にすべきではない」

スティーブン・スピルバーグ
Photo by Elena Ternovaja https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Steven_Spielberg_at_Berlinale_2023_-1.jpg Remixed by THE RIVER

映画界でもAIをめぐる議論が続くなか、スティーヴン・スピルバーグが映画制作におけるAIの使用について自身の考えを語っている。作業の効率化に役立つ場面はあるとしながらも、創作における最終的な判断をAIに委ねるべきではないという立場だ。

スピルバーグは、ミシェル・オバマとクレイグ・ロビンソンによるポッドキャスト番組「IMO」に出演。そこでAIについて問われると、医療や教育の分野で問題解決に役立つ可能性には理解を示しつつ、映画制作においては明確な線引きが必要だと語った。

「私がAIを好ましく思わないのは、AIがある立場を取ったり、脚本家たちのテーブルに“空席”として座ったりするような場合です」とスピルバーグは述べている。人間の作り手の代わりにAIを置くことには慎重で、「魂の代替物があるとは思いません」とも語った。

一方で、AIの使用そのものを全面的に否定しているわけではない。たとえばロケーション探しのような実務的な作業では、AIが大きな手間を省く可能性があるだろうと述べる。膨大な候補地を調べたり、制作準備の段階で資料を整理したりするような用途であれば、映画制作を支える道具になり得るという考えだ。

ただし、スピルバーグが問題視するのはその先である。「このキャラクターのセリフをどう書くべきか、私に指示しないでほしい。カメラをどこに置くべきかも指示しないでほしい」とスピルバーグ。セットデザインについても、AIがプロダクションデザイナーの道具箱にあるひとつの道具として使われるなら別だが、それが最終判断を下す存在になるべきではないという。

そしてスピルバーグは、こう結論づけている。「AIは道具として使うべきです。しかし、創造的なことにおける最終判断として使ってはならない。そこが私の譲れない一線です」。

この発言は、映画界で続いているAI論争のなかでも、きわめてスピルバーグらしい現実的な立場といえる。技術そのものを拒むのではなく、あくまで人間の創造性を補助するものとして扱う。効率化のために使うことと、創作の核を置き換えることは違う、というわけだ。

近年のハリウッドでは、脚本、俳優の肖像、声、映像生成など、AIをめぐる問題がたびたび議論されている。ロバート・ダウニー・Jr.は、自身のデジタル複製をAIで利用することに強い警戒を示し、ギレルモ・デル・トロも「AIを使うくらいなら死んだほうがまし」と語るなど、映画人のあいだでも慎重な意見は少なくない。一方で、制作支援ツールとしてのAI活用を模索する動きもあり、業界全体としては受け入れと警戒のあいだで揺れている。

スピルバーグ監督の最新作『ディスクロージャー・デイ』は2026年10月1日より日本公開だ。

Source:IMO

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Joe Kishi

THE RIVER編集部。ハリウッド大作からインディー作品、アニメーションまで幅広くカバー。魂を揺さぶる瞬間に出会える記事を届けたい。

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