『Michael/マイケル』誕生の裏にマーティン・スコセッシの教え ─ 『ボヘミアン・ラプソディ』成功後「もっと難しいものを」
「映画を作って、それが成功したら、次はもっと難しいものを選びなさい」。
マイケル・ジャクソンの生涯を描く伝記映画『Michael/マイケル』のプロデューサー、グレアム・キングが、THE RIVERの単独取材で本作に挑んだ理由を語った。『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)を世界的大ヒットに導いたキングは、次なる題材として“キング・オブ・ポップ”ことマイケル・ジャクソンを選んだ背景に、長年の師であるマーティン・スコセッシから受けた教えがあったと明かしている。
「『ボヘミアン・ラプソディ』が成功したあと……特に日本ではとても大きな成功を収めましたよね。そこで私は、自分自身に挑戦したいと思いました。
私には、この業界で望みうる最高の師匠がいました。それがマーティン・スコセッシです。彼はいつも私にこう言って、教えてくれました。“映画を作ってそれが成功したら、次はもっと難しいものを選び、常に自分をさらに高めようとしなければならない”、と。」
キングはスコセッシ監督作『ディパーテッド』(2006)や『アビエイター』(2004)、『ヒューゴの不思議な発明』(2011)などを手がけてきた名プロデューサー。『ボヘミアン・ラプソディ』という大きな成功の後、あえてさらに困難な題材へ向かうことは、彼にとって師の教えを実践することでもあった。
「だから、フレディ・マーキュリーの次に、マイケル・ジャクソンの世界に飛び込むことは、私にとって自然な流れでもありました。」
もっとも、マイケル・ジャクソンを映画化する道のりは決して平坦ではなかった。企画は長期にわたって進められ、公開予定もたびたび変更されてきた。キングによれば、その理由の一部は、作品を「正しい形」に仕上げるためだったという。
「こういう作品はいつも本当に長い旅になります。公開日も何度も発表されては延期になりました。その理由の一部は、映画を正しい形に仕上げるためでした。」
世界中に熱烈なファンを持ち、複雑な人生を歩んだマイケル・ジャクソン。彼の物語を映画として届けるには、音楽、パフォーマンス、人物像、そして観客の期待、あらゆる面で高い精度が求められる。キングは、その責任の重さをこう表現する。
「映画を届けるチャンスは一度きりです。だからこそ、きちんと期待に応えられる作品にしなければならない。満たすべき条件が本当にたくさんあったんです。」
『ボヘミアン・ラプソディ』の成功に安住するのではなく、さらに難しい題材へ。フレディ・マーキュリーからマイケル・ジャクソンへと歩みを進めたキングの選択は、スコセッシから受け継いだ映画人としての姿勢そのものだった。
ちなみにキングの来日は、『ディパーテッド』(2006)プロモーション以来20年ぶりのこと。当時は、まさに師であるスコセッシや、主演のレオナルド・ディカプリオとともに日本を訪れた。「20年も前のこと。もうずいぶん昔の話です」と、現在64歳のキングは、当時の思い出を感慨深く話してくれた。
「その時、人生最高の経験をしたんですよ。パークハイアットの最上階で、ビル・クリントンとディナーをしたんです。私はヒヨッコでしたよ(笑)。」
映画『Michael/マイケル』は大ヒット公開中。THE RIVER公式YouTubeチャンネルでは、本作でマイケル・ジャクソン役を演じたジャファー・ジャクソン、その幼少期役のジュリアーノ・クルー・ヴァルディ、プロデューサーを務めた重鎮グレアム・キングへの単独インタビュー動画を公開中。撮影の裏側や背景など、映画がより楽しめるようになる貴重なトークをたっぷり引き出している。
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