映画『バイオハザード』監督が語る「ホラー映画を成功させる3つのルール」 ─ 「サメを早く見せすぎるな」「多少のコメディは効果アリ」、3つ目は?
『バーバリアン』(2022)、『WEAPONS/ウェポンズ』(2025)に続いて、新作『バイオハザード』を手がけたザック・クレッガー監督。ホラー映画を成功させるため、自身が大切にしている「3つのルール」を明かした。
クレッガーが2026年9月1日(現地時間)、『バイオハザード』の本編30分先行上映後に行われたReddit主催の公開AMAで語ったもの。「成功するホラー映画を作るための3つのルールを作るなら?」と尋ねられると、「基本的なことばかりだよ」と前置きしながら、自身の恐怖演出を支える3つの原則を挙げた。
ひとつ目は、「サメを早く見せすぎるな」。『ジョーズ』(1975)に代表される、脅威の正体をすぐには見せず、観客の想像力を利用して緊張感を高めるホラーの定石だ。「ご存じのルールだ」と監督。
ふたつ目は、「少しのコメディは大きな効果がある」こと。スケッチコメディ集団「The Whitest Kids U’ Know」出身のクレッガーだけに、脚本を書く段階では自然と大量のジョークが生まれるという。しかしホラー映画として仕上げる過程では、それらを積極的に削っていく。
「毎回の映画で学ぶんだけど、自分では最高に面白いと思ったものを山ほど書いておいて、編集の段階で結局そのコメディを全部剥がしにかかっている自分に気づく。『面白い(funny)のはいいが、おふざけ(goofy)はダメ』だから。これは僕には難しい。」
この考えは、『バイオハザード』完成後の発言とも一致している。米Men’s Healthのインタビューでもクレッガーは、執筆中はジョークを思いつくまま入れる一方、狙いはあくまで恐怖に置いていると説明。編集では「できる限りユーモアを映画から取り除く」といい、最初の編集版は完成版よりもかなり“おふざけ”が多く、最終的に残る笑いは「許容できる最低限」なのだという。
つまり恐怖と笑いを半々に配分するのではなく、まず恐怖を軸に置き、緊張を壊さない範囲で笑いを残す。もともとコメディ畑からホラーへ転じたクレッガーにとって、笑いは武器である一方、使いすぎれば作品のトーンを変えてしまうものでもあるようだ。
そして3つ目は、恐怖に直面する人物の「視点から離れない」こと。クレッガーは、登場人物が廊下を進むような場面では、その人物の表情を正面から捉えるのではなく、主観ショットや肩越しの構図を好むという。
「追いかけている人物の視点に固定されるのが大好きなんだ。だから廊下を進む場面では、その人の顔を見るのではなく、常に主観か肩越しの視点でいたい。主人公の顔を見ているとき、僕は何も怖くない。でも肩越しなら、急にフレームの隅々を見て『危険はどこから来る?』と考えることになる。」
恐怖を感じている俳優の表情そのものを映すだけで、観客を怖がらせようとする演出には慎重だ。「そういう瞬間も見せなくてはいけない」としながらも、「そこに居座ってはいけない。うまくいくことは滅多にない」と語っている。
本作ではゲームの筋書きをそのまま再現するのではなく、「ゲームプレイやゲームの体験そのもの」を映画に置き換えることを重視。プロデューサーのロイ・リーも以前、クレッガーが「映画を観る体験がゲームをプレイする体験に似てくる」ことを目指していると説明していた。危険に向かう人物の背後に観客を置くという3つ目の原則は、その狙いとも重なる。
もっとも、“怖がる俳優の顔を映す”方法にも例外はある。司会者がアリ・アスター監督『ヘレディタリー/継承』(2018)のトニ・コレットやアレックス・ウルフを例に挙げると、クレッガーも即座に同意した。
「あれは見事だ。しかもあの映画は僕にとって完全な傑作で、例外だよ。僕が言っているのは、びっくり箱のような仕掛けで緊張が高まるとき、その人の視点で体験したい、ということ。飛び出してくる化け物の側じゃなくてね。」
「サメを早く見せすぎない」「コメディは少量に抑える」「恐怖に直面する人物の視点に立つ」。いずれも、何を見せるかだけでなく、“いつ、どこから、どれだけ見せるか”を制御するためのルールと言える。新作『バイオハザード』でもクレッガーは、この3つの考え方を使いながら、観客自身が危険な世界を進んでいるかのようなサバイバルホラーを構築した。
『バイオハザード』は2026年9月18日に米国公開。日本では2026年10月9日(金)、全国の映画館で公開。
▼ 『バイオハザード』の記事

新『バイオハザード』Rotten Tomatoesスコア発表 ─ 「史上最高のゲーム映画化」「プレイ体験を見事に再現」「今後はこれに倣って、魂のないコピペ映画化はやめて」 「プレイ体験そのものを映画化している」 



『バイオハザード』新作、ゲームをそのまま映画化しない理由 ─ 「もしゲームをそのままスクリーンに映したら失敗する、どこかで期待に届かない」 「見てもらえばわかる」 



新『バイオハザード』監督、早くも続編アイデアあり ─ 「この先何が起こり得るか、すでに考えがある」 ヒットに期待 

『バイオハザード』吹替版に下野紘&早見沙織 ─ 「ありとあらゆる叫び声やビビリ声を出しまくりますので」 ビビリ声なら日本一 

『バイオハザード』米国初動興収、シリーズ記録を更新へ ─ チケット前売り絶好調、5,000万ドル好発進の可能性も 『WEAPONS/ウェポンズ』監督による新機軸
Source: Men’s Health



























