そのまま過激パニッシャー『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』どう成立させるのか疑問だったとジョン・バーンサル

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)版スパイダーマン最新作『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』では、ジョン・バーンサル演じるパニッシャー/フランク・キャッスルが映画版スパイダーマンと初共演する。
犯罪者であっても救おうとするスパイダーマンと、容赦なく命を奪うことも辞さないパニッシャー。正反対の正義を持つ2人を同じ作品に登場させるにあたり、製作陣はパニッシャーの過激さを弱めることなく、スパイダーマン映画の世界に溶け込ませることを目指したという。
2026年7月17日(日本時間)に開催された本作のグローバル記者会見では、バーンサルがパニッシャー参戦に伴う課題を語っている。これまでバーンサル版パニッシャーは、暴力や犯罪を生々しく描く成人向けドラマを主戦場としてきた。一方、トム・ホランド版『スパイダーマン』シリーズは、若者の青春やユーモアを盛り込んだ幅広い観客向けの作品である。会見の司会者も、パニッシャーが「明らかに“大人向け”のキャラクター」であることから、どのように本作へ馴染ませるのか疑問視されていたと切り込んだ。
バーンサル自身も、同じ懸念を抱いていたという。「僕はフランクのことをものすごく大切に思っていますし、パニッシャーのファンや、彼が象徴するものに対しても強い責任感があります。だから、“どうやって成立させるのか?”という疑問は、僕自身にも本当にありました。」

バーンサルによれば、デスティン・ダニエル・クレットン監督やプロデューサーのエイミー・パスカル、ケヴィン・ファイギ、ホランドらも、このトーンの違いを重要な問題として受け止めていた。観客も当然抱くであろう疑問から逃げるのではなく、正面から向き合ったことが、両者を共演させる鍵になったようだ。
製作陣が目指したのは、パニッシャーが成人向けドラマからそのまま本作へ足を踏み入れても、不自然に見えない表現だった。「僕たちが目指したのは、“パニッシャーがTV-MA指定のドラマの世界からそのまま歩き出して、このセットに立てる”、そして“逆にこの作品の世界からTV-MAの世界へ戻っていける”──そんな説得力を持たせることでした。」
米国のTV-MAは、主として成人の視聴者を想定したテレビ番組に付与される区分。バーンサルの発言からは、スパイダーマン映画への登場にあわせてパニッシャーを無害化するのではなく、成人向け作品で確立された人物像との連続性を維持しようとしたことがうかがえる。
ただし、これは『ブランド・ニュー・デイ』自体が成人指定相当の映画になることを意味するものではない。バーンサルは、パニッシャーの説得力を保つ一方で、クレットン監督が築いた本作独自のトーンや世界観への敬意も守られていると説明した。
ホランドも、パニッシャーの本質は失われていないと強調する。「デスティンは、その“トーンの違い”を本当に見事に扱ってくれたと思います。フランクやパニッシャーというキャラクターの本質を一切損なわずに描くことができているんです」。
スパイダーマンは犯罪者の中にも善を見いだし、命を救おうとするヒーローだ。対するパニッシャーは、犯罪者を倒すためなら致命的な手段も選ぶ。この違いが、2人の共演シーンに「完璧な対立構造」を生み出したとホランドは語っている。
さらに、その対立がどのように解消されていくのかについて、「ものすごく満たされるし、すごく気持ちいいし、同時にちょっと怖くもある」と予告。単純な共闘ではなく、互いの正義や手段をめぐる緊張感が2人の関係を形作ることになりそうだ。
コミックにおけるパニッシャーは、もともとスパイダーマンの敵役として初登場したキャラクター。犯罪者を殺さないスパイダーマンと、犯罪者への制裁をためらわないパニッシャーの衝突は、長年にわたって両者の関係の核となってきた。
「デアデビル:ボーン・アゲイン」やスペシャルドラマ『パニッシャー:ワン・ラスト・キル』でも、ブルータルな世界観を存分に見せつけたパニッシャーだが、果たして全年齢向けであるスパイダーマン作品にいかに融合するのか。別のインタビューでホランドは、暗い道を進もうとするピーターにフランクが「そういうのは俺がやる」と諭す場面もあると明かしている。彼が“親愛なる隣人”にどのような影響を与えるのかにも注目だ。
『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』は2026年7月31日、日米同じ公開。
▼ 『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』の記事

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