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サム・ライミ『スパイダーマン2』から『スパイダーマン:NWH』へ続く、ピーターとMJの恋愛 ─ ふたりが「ちょうどいい距離」を見つけるまで

スパイダーマン2
©Sony Pictures Entertainment Photographers: John Bramley/Melissa Moseley 写真:ゼータイメージ

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で見つけた“ちょうどいい距離”

その後、続編『スパイダーマン3』(2007)ではピーターはブロードウェイ・デビューを果たしたMJに婚約を申し込もうとするまでに至る。だが、そんな彼をスパイダーマンという運命が雁字搦めにする。運命に抗い、向き合いながら、ピーターはMJとの関係を考えていく。

そして、時は流れ『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)で、ピーター・パーカー(ピーター2)とメリー・ジェーン・ワトソンという2人の男女の関係がどうなったのか明らかになる。ピーター2は若いピーター1たちに人生について尋ねられた際に「ちょうどいい距離を見つけた」と返すのだった。

ピーター・パーカーという一般人の人生と、スパイダーマンというスーパーヒーローの人生。そのどちらも諦めずに、それでいてMJを傷つけない方法として彼は“ちょうどいい距離”を見つけたのだ。ここで「結婚した」や「別れた」とは言わないのが興味深い。

2004年の若い頃は無茶なこともした。しかし、それからゆっくりと時間をかけて、2人それぞれの夢を諦めないでいられる関係性を見つけたのだ。トム・ホランド演じる若いスパイダーマンのメンターとなったピーター・パーカー(ピーター2)とその口から語られるMJ。

それらを思って『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で人生経験を重ねたピーター2の姿を見ると、『スパイダーマン2』の彼は、青春時代の自分を振り返るかのような若者に映る。『スパイダーマン2』のピーターは、自分の人生か、スパイダーマンとしての責任か、そのどちらかを選ばなければならないと思い込んでいた。

しかし長い年月を経たピーター2は、そのどちらも捨てない生き方を見つけていた。若き日の彼には見つけられなかった“ちょうどいい距離”。『スパイダーマン2』は、ヒーローとしての戦いだけではなく、一人の青年が人生のバランスを探し続ける物語だったのである。

REVIVAL by THE RIVER Vol.1 スパイダーマン2

映画『スパイダーマン2』(2004)はヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区)にて2026年7月3日(金)より1週間限定上映。上映開始時刻は全日18:10より。

Writer

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鯨ヶ岬勇士

アニメ・特撮・洋画を中心に、作品の魅力とその背景にある社会性を横断的に読み解くカルチャーライター。Web媒体のほか、雑誌・ムック本などにも寄稿。作品分析を軸にした評論を執筆している。

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