『プラダを着た悪魔2』あのAI生成風の風刺画、人間のアーティストが「AI」っぽく描いたものだった

映画『プラダを着た悪魔2』に登場する“AI生成風”の風刺画像が、実は人間のアーティストによって制作されていたことがわかった。生成AIの使用をめぐる議論が映画業界でも広がるなか、あえてアーティストに依頼して作られた一枚として注目を集めている。
劇中では、ファッション誌「ランウェイ」が掲載したある記事をきっかけに炎上騒ぎが発生。編集長ミランダ・プリーストリー(メリル・ストリープ)はネットやSNSで激しい批判にさらされる。その中で登場するのが、ミランダをファストフード店の店員風に描いた風刺画像だ。そこには「嘘もご一緒にいかがですか?」という趣旨の文言が添えられ、現代のネット空間らしい、雑で悪意のあるミームとして画面に映し出される。
一見すると、この画像はいかにも生成AIで作られたように見える。人物の表情や質感、どこか不自然に整いすぎた構図、悪趣味なまでにわかりやすい風刺の感じも含めて、SNS時代の“炎上ビジュアル”としてかなりそれらしい。ところが、この絵を手がけたのはAIではなく、アーティストのアレクシス・フランクリンだった。
フランクリンはInstagramで制作過程のタイムラプスを公開し、本作のデヴィッド・フランケル監督からの依頼でこの絵を描いたことを明かした。「メリル女王に失礼するつもりはまったくありませんが、これは自分の自由時間にも描いていたようなものです」とコメントしている。
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もちろん、これは本来なら特別なことではない。映画の小道具や劇中グラフィックをアーティストが作るのは、ごく自然な制作工程であるはずだ。それでも今、この一件が好意的に受け止められているのは、生成AIがアーティストの仕事を奪うのではないかという危機感が、すでに多くの観客の間にも共有されているからだろう。
『プラダを着た悪魔2』におけるこの画像は、作中ではネット時代の悪意を象徴するアイテムである。だが、その悪意ある“AI風”の見た目を、実際には人間のアーティストが意図的に作り込んでいたという事実は、なかなか皮肉なこと。生成AIっぽさを再現することもまた、観察力と技術を要する表現なのだ。
『プラダを着た悪魔2』は大ヒット公開中。
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