【ネタバレ】『プラダを着た悪魔2』ラストシーンの裏の意味

この記事には、『プラダを着た悪魔2』のネタバレが含まれています。

前作から20年、現代を舞台とする『プラダを着た悪魔2』では、メディア業界の衰退とジャーナリズムの保護が大きなテーマとなる。古巣メディア『ランウェイ』に戻ったアンディ・サックス(アン・ハサウェイ)は、雑誌が紙媒体からデジタルに移行したことによる業態の変化や、業界そのものが沈みつつある様を目の当たりにする。さらに、イライアス=クラーク社の売却騒動によって、編集長ミランダ(メリル・ストリープ)の進退や、『ランウェイ』存続までもが危機に陥る。
ミランダの秘策とアンディ決死の仕事によってなんとか難を脱した後、彼女たちは再びオフィスでの仕事に戻る。新たな同僚に囲まれ、ナイジェル(スタンリー・トゥッチ)との信頼関係を改めて感じ、困難を共に脱して絆を深めながらも“いつも通り”冷淡なミランダの姿を見たアンディは、愛する『ランウェイ』で引き続き働くことのできる幸福を噛み締めるようにして、また忙しなく動く。
ここでカメラは、オフィス内のアンディを捉えたまま、ゆっくりとビル外側にズームアウト。びっしりと並ぶ窓からは、アンディやナイジェル、ミランダと同じように仕事に奔走する人々の姿があちこちから覗き、さらに同じようなオフィスビルが果てしなく続く情景が展開される。
ミランダ役のメリル・ストリープと、監督のデヴィッド・フランケルが米Entertainment Weeklyに語ったところによれば、このラストショットは1988年米公開の映画『ワーキング・ガール』へのオマージュだという。
メラニー・グリフィス、ハリソン・フォード、シガニー・ウィーバー共演の『ワーキング・ガール』は、ニューヨークのウォール街を舞台とする作品だ。映画の最後に、主人公テス・マクギルは念願だった自分のオフィスを手に入れる。彼女は友人に電話をかけ、喜びを噛みしめるが、カメラはやがてその窓辺からゆっくりと引いていき、テスの姿はニューヨークの高層ビルに並ぶ無数の窓のひとつへと小さくなっていく。個人の勝利を祝福しながらも、その成功が巨大な都市と企業社会の中ではごく小さな一点でもあることを示す、ほろ苦い余韻を残す幕切れである。
ストリープは「私にとって、あの引きのショットは確かに『ワーキング・ガール』へのオマージュです」と認め、次のように解説している。
「街の景色が映っていくと、あの3人の姿が小さく見える。同じような姿が、どのビルからも見えるわけです。誰もが、同じような“時が止まった感覚”を経験している。彼女たちはまるで、ディスプレイケースの中の昆虫なんです。彼女たちは存続できるのか?続くのか?
なぜなら、本作の最後に彼女たちが見出したこの小さな解決策は、不安定なものだからです。幻想的なもので、まるで宇宙からデウス・エクス・マキナ(※息詰まった物語を強引に解決してみせる存在のこと)が現れたような。彼女たちが見つけた解決策は、そんなものです。さて、この状態は続いてくれるのでしょうか?」
映画の中で、イライアス=クラーク社は独占インタビュー企画を経て意気投合した資産家サーシャ・バーンズ(ルーシー・リュー)が買収することが決まり、エミリー(エミリー・ブラント)とパトロンのベンジー(ジャスティン・セロー)による乗っ取り危機を逃れる。サーシャは経営判断や編集方針に関与しないとし、『ランウェイ』はひとまず存続できることとなった。
しかし、それはメディア業界そのものの変化や衰退を止められるものではない。ラストシーンでは、日が暮れて夜景に変わりつつあるニューヨークの摩天楼が美しいが、それは同時に、「夜」が刻一刻と近づいているという密かな示唆とも受け取れる。
フランケル監督も、このラストが『ワーキング・ガール』への「敬意」だと認めている。ただし、アンディ、ナイジェル、ミランダの3人は特別な勝者としてではなく、あくまで都市の風景の一部として置かれている。脚本のアライン・ブロッシュ・マッケンナとともに伝えたかったのは、彼女たちが「誰にでもなり得る」という普遍的な感覚だったという。
それでも、3人はまだ同じ場所にいる。フランケルは「彼女たちはまだ一緒にいる」と語り、こう続けている。「タイタニック号から離れた筏には、まだ空きがある。あれは筏、だよね?」
『プラダを着た悪魔2』のラストは、完全なハッピーエンドではないのかもしれない。だが、太陽が沈みゆく時の中で、それでも誇りを持って働き続ける人々の姿を、ビルの窓の向こうにそっと残しているのだ。
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Source:Entertainment Weekly




























