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『オデュッセイア』絶賛のサマンサ・モートン、それでも1年間仕事なし「私は49歳」 ─ 『her』でもスカーレット・ヨハンソンに交代され「悲しかったどころではない」

オデュッセイア
photo by Melinda Sue Gordon (C) Universal Studios. All Rights Reserved.

クリストファー・ノーラン監督『オデュッセイア』で魔女キルケー役を演じ、そのパフォーマンスが高く評価されているサマンサ・モートン。しかし本人によれば、この大作を撮り終えてから約1年間、俳優として新たな仕事に就いていないという。49歳を迎えた現在、年齢とともに役の機会が減っていく現実を率直に語っている。

モートンはポッドキャスト「Happy Sad Confused」に出演し、『オデュッセイア』で寄せられた反響が自身にとって何を意味するのかを尋ねられると、「希望と信念」と答えた。

「続けていれば、良い仕事を生み出し続けて、それをしかるべき人たちが見てくれれば、もしかすると仕事を続けていけるのかもしれない、という希望と信念です。」

もっとも、その実情は厳しいようだ。

「『オデュッセイア』を撮ってから1年間、仕事をしていません。すごく優秀なエージェントとマネージャーがついているんですけどね。でも結局のところ、私は49歳です。自分は良い俳優だと思っていますけど、ほかにも良い俳優はいます。業界の力学は大きく変わりました。」

モートンは2026年7月にも、年齢を重ねた女性俳優にとって『オデュッセイア』のような役は「めったに巡ってこない」と語っていた。インディペンデント映画やテレビでは仕事を続けてきた一方、大規模な映画でこうした役に出会える機会は少なくなっているという。

今回の発言も、自身が仕事を得られない理由を年齢だけに断定したものではないが、49歳という現在の年齢を自ら挙げ、キャリアを取り巻く環境の変化を実感していることを明かした形だ。

その言葉がいっそう印象的なのは、『オデュッセイア』でのモートンが決して脇に埋もれた存在ではなかったことだ。ノーランはモートンについて以前、彼女の出演場面が「映画が成功するかどうか」にかかわるほど重要だったと説明。撮影ではあるテイクを終えたモートンにスタッフから拍手が起こり、プロデューサーのエマ・トーマスが、同じことが起きたのは『ダークナイト』のヒース・レジャー以来だったと振り返っている

ノーランは長年モートンの演技を敬愛しており、キルケー役に起用するため彼女のスケジュールに合わせて撮影日程まで調整したという。キャリア30年以上、アカデミー賞に2度ノミネートされた実力者が、これほどの評価を受けた大作に出演してなお「1年間仕事をしていない」と明かしたことは、俳優という職業の不安定さを浮き彫りにしている。

モートン自身にも、出演が保証されない厳しさを味わった忘れがたい経験がある。スパイク・ジョーンズ監督『her/世界でひとつの彼女』(2013)では、ホアキン・フェニックス演じるセオドアが恋に落ちる人工知能サマンサの声を当初担当し、撮影現場でもフェニックスを相手に演技していた。しかしポストプロダクションの段階で降板となり、完成版ではスカーレット・ヨハンソンがサマンサ役を務めた。

今回モートンはこの出来事についても振り返っている。最終的な判断は監督の権限であり、出演したからといって完成版に残る保証はないと理解を示した一方、「驚きましたし、“少し悲しかった”では到底足りません」と当時の心境を告白。「作品から外される、クビになるというのは、やっぱり傷つきます」と語った。ヨハンソンについては「美しい声」で「ものすごく表現力がある」と称賛しつつ、自分にもアメリカ英語のアクセントで再収録する機会があればよかったとの思いも明かしている。

それでもモートンは、『オデュッセイア』への出演を悲観的には捉えていない。ノーランが自分との面会を望んでいると知らされた際には「本当に泣いた」といい、今後も80代になるまで俳優を続けていけるとの自信も語った。長いキャリアの浮き沈みを経験してきたからこそ、ノーラン作品への出演そのものが大きな意味を持ったようだ。

『オデュッセイア』そのものは現在、全世界興行収入10億ドルを突破する大ヒットとなっている。日本では2026年9月11日(金)全国公開。9月4日(金)から10日(木)まではIMAX先行上映が実施される。

Source:Variety

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Joe Kishi

THE RIVER編集部。ハリウッド大作からインディー作品、アニメーションまで幅広くカバー。魂を揺さぶる瞬間に出会える記事を届けたい。

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