『シビル・ウォー』トニー・スタークを動かした重要シーン、母親役はロバート・ダウニー・Jr.の直指名だった ─ ギャラ問題を乗り越えて絶対に起用したかった理由

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(2016)で、トニー・スターク/アイアンマンの決断に大きな影響を与えたあるシーン。その母親役の起用には、ロバート・ダウニー・Jr.の強い推薦があったという。演じたアルフレ・ウッダードが明かしている。
問題の場面は、物語序盤、トニーがMITで講演を終えた直後に訪れる。トニーの前に現れたのは、ミリアム・シャープという女性。彼女の息子チャーリー・スペンサーは、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)で描かれたソコヴィアでの戦いに巻き込まれ、命を落としていた。ミリアムはトニーに息子の死を突きつけ、アベンジャーズの行動がもたらした犠牲を真正面から問う。
この対面は、トニーがソコヴィア協定への同意に傾く大きなきっかけとなる。アベンジャーズを国際的な管理下に置くべきか、それとも独立した判断で行動すべきか。『シビル・ウォー』の中心にある対立は、この一場面によって一気に個人的な痛みを帯びることになる。
ウッダードは米Entertainment Tonightのインタビューで、当時の起用経緯を回想。マーベル側から連絡があり、「この1シーンのために連絡して申し訳ないのですが、RDJが“アルフレでなければならない”と言っているんです」と伝えられたという。
ダウニー・Jr.がそこまでウッダードを求めたのには理由があった。ウッダードによれば、ダウニー・Jr.はトニーが以後の物語で「スーパーヒーローたちが政府と協力する」という方向へ大きく舵を切るためには、その状況に説得力を持たせる俳優が必要だと考えていたという。つまり、アイアンマンがソコヴィア協定を受け入れるに足る現実感を、その場面で生み出せる人物として、ウッダードを指名したのだ。
しかも、マーベル側は当初、ウッダードの起用について「予算的に難しい」としていたという。それでもダウニー・Jr.は彼女の出演を強く主張した。ウッダードは、実際の撮影でもダウニー・Jr.と共にエレベーター前に立ち、「もう一度やろう」と言い合いながら、何度も演じたかったと振り返っている。
ウッダードは同年、Netflixドラマ「ルーク・ケイジ」にもマライア・ディラード役で出演している。そのため、当時はMCU内で同じ俳優が別キャラクターを演じることにも注目が集まった。ただし、『シビル・ウォー』の脚本を手がけたクリストファー・マルクスとスティーヴン・マクフィーリーは、2016年時点で両者が別人物であることを明言していた。ウッダードのミリアム役起用は、後に「ルーク・ケイジ」出演が判明する前に決まっていたという。
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』は、キャプテン・アメリカとアイアンマンの対立を描いたMCUフェーズ3の幕開けとなる作品。スーパーヒーローの活躍の裏側にある犠牲と責任を描くうえで、ミリアム・シャープのシーンは今なお印象深い。ダウニー・Jr.がそこに強い俳優を求めたことは、トニー・スタークの物語を支えるうえでも、確かな意味を持っていたようだ。
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Source:EW,ScreenCrush




























