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『スパイダーマン2』ピーター・パーカーと自己犠牲 ─ 人生を生きるか?ヒーローの運命を受け入れるか?再考

スパイダーマン2
© Sony Pictures Classics

博愛精神のヒーロー・スパイダーマン

再びスーツを身にまとい、ニューヨークのビルの谷間をスウィングするスパイダーマン。彼と市民の関係性を象徴するのが、『スパイダーマン2』の名シーンでもある電車を止めるシーンだろう。ビルに糸を何本も貼りつけ、暴走する電車を止めるスパイダーマンの姿は十字架に磔にされたイエス・キリストを思わせる。

そして、ボロボロになったスパイダーマンを市民たちが運び、マスクが取れた本当の姿を目撃する。そのとき、「まだ子どもじゃないか」と言われ、ニューヨーク市民たちは自分たちを守っていた親愛なる隣人があまりにも幼い存在だと知るのだ。

市民たちはスパイダーマンの正体を知っても誰にも明かさないと誓い、その身柄を引き渡すように要求してきたドクター・オクトパスに立ち向かう。このシーンはピーター・パーカーが背負ってきた“スパイダーマン”という重荷の一端を、市民たちと分かち合ったことを表現していると考えられる。

迫力のあるバトルシーンとして語られることが多い『スパイダーマン2』の一連の電車シーン。これは物語冒頭から続くピーター・パーカーという青年の自己犠牲が実り、市民と二人三脚で前に進んでいくヒーロー“スパイダーマン”になったシーンでもある。スクリーンで希望の光のもとで人々の心が1つになる姿を観るのは、今の時代にこそ響くものがあるかもしれない。

REVIVAL by THE RIVER Vol.1 スパイダーマン2

映画『スパイダーマン2』(2004)はヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区)にて2026年7月3日(金)より1週間限定上映。上映開始時刻は全日18:10より。

Writer

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鯨ヶ岬勇士

アニメ・特撮・洋画を中心に、作品の魅力とその背景にある社会性を横断的に読み解くカルチャーライター。Web媒体のほか、雑誌・ムック本などにも寄稿。作品分析を軸にした評論を執筆している。

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