『バックルームズ』21歳監督、『妄想代理人』『DEATH NOTE』が好き ─ 「いつか自分でアニメを作りたい」

映画『バックルームズ』のケイン・パーソンズ監督は、日本の作品にも親しんできた。過去には『進撃の巨人』を題材にしたファンフィルムをいくつも自主制作しており、現在のVFXクリエイターとしての原点を知るうえでも興味深い。
もっとも、21歳のパーソンズは、特に漫画やアニメだけを好んでいるわけではないという。媒体やジャンルにあまりこだわらず、そもそも作品を「お気に入り順」に並べること自体がかなり苦手らしい。
筆者の単独インタビューで、『進撃の巨人』以外から好きな漫画・アニメを3作品挙げてもらおうとすると、さっそく困らせてしまった。
「僕は作品に順位をつけるのが本当に苦手で(笑)。たぶん、それ自体が答えの一部なのかもしれません。僕は何かについて『これが一番好き』と決めるタイプではないんです。」
漫画、アニメ、映画といった媒体そのものより、内容に惹かれるタイプなのだろう。「ジャンル自体をあまり気にしません」としつつ、好みの傾向についてはこう説明する。
「SFやスリラー、あるいはスペキュレイティブ(思索的)な作品にはかなり惹かれる傾向があります。哲学的に僕たちが今どこにいるのか、昔からある人間の心理と現代のテクノロジーの間に何があるのか、そういう最前線に触れるようなものですね。」
そんなパーソンズが最初に挙げた日本作品が、今敏によるテレビアニメ『妄想代理人』だ。
「今敏の『妄想代理人』がすごく好きです。彼の作品を全部観ているわけではないんですが、観たものはどれも強く心を動かされました。実際、いつか自分の仕事でもアニメーションという場所にたどり着いてみたいと思うくらいです。」
現実と虚構の境界を揺さぶりながら、人間の心理や社会を描いた『妄想代理人』。パーソンズが先に語った好みを踏まえれば、同作に惹かれるのもどこか納得できる。
「あと、ありきたりですが」と断りながら、もうひとつ挙げてくれたのは、大場つぐみ原作・小畑健作画による『DEATH NOTE』。こちらは子どもの頃から親しんできた作品で「大好き」だという。
『DEATH NOTE』は漫画とアニメのどちらが好きなのか尋ねると、「まず漫画を読んで、それからアニメを観ました」と回答。『進撃の巨人』についても同じ順番で、「読めるものなら、基本的には読む方を好む傾向があります」と話す。
さて、質問では3作品をお願いしていた。残るひとつは何になるのかと思いきや、最後までそのポリシーは崩れなかった。
「3つ目は……2つで勘弁してください(笑)。『お気に入り』を選ぶのが本当に好きじゃないので。」
その代わり、おすすめ作品は「いつでも歓迎」だという。ひとり自室で『進撃の巨人』のファンフィルムを作っていた少年は、『バックルームズ』の革命的な大ヒットを経験しながら、今度は自らの作品でアニメーションに挑む日もあるのかもしれない。
映画『バックルームズ』は公開中。
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