ロッキー映画『I Play Rocky』が絶賛「スタローンそのもの」「モノマネ超えてる」 ─ スタローン本人も一人で鑑賞「正直、緊張していた」

シルヴェスター・スタローンが『ロッキー』(1976)を書き上げ、自ら主演の座を勝ち取るまでの実話を描く伝記映画『I Play Rocky(原題)』が、海外批評家から好評を集めている。スタローン本人も反応を示した。
2026年9月にトロント国際映画祭(TIFF)でお披露目されると、米Rotten Tomatoesでは記事執筆時点で30件のレビューに基づき80%の評価を獲得。肯定派からは「ノックアウト」「完全な勝者」といった熱烈な評が寄せられている。

『I Play Rocky』は、まだ無名だったスタローンが、周囲から何度「ノー」を突きつけられても、『ロッキー』の脚本を手放さず、自分自身がロッキー・バルボアを演じることにこだわり続けた物語。人生を変えるほどの脚本料を提示されながらも主演を譲らず、最終的には映画を実現させた“究極のアンダードッグ映画の裏側にあったアンダードッグ物語”を描く。
若きスタローン役は、「ジ・オファー/ゴッドファーザーに賭けた男」でアル・パチーノ役を演じたアンソニー・イッポリート。監督は『グリーンブック』(2018)のピーター・ファレリー、脚本はピーター・ギャンブルが担当する。共演にはマット・ディロン、アナソフィア・ロブ、ステファン・ジェームズ、P・J・バーン、トビー・ケベル、ジェイ・デュプラス、トレイシー・レッツらが名を連ねる。すでに公開された予告編では、イッポリートがスタローン特有の声や仕草、肉体まで再現した姿も披露されていた。
高評価レビューでは、とりわけアンソニー・イッポリートによるスタローンの再現度と、『ロッキー』誕生の実話をそれ自体が一本のアンダードッグ映画のように仕立てたファレリーの演出が称賛されている。
「イッポリートは単なる物真似を超え、若きスタローンの人懐っこさと頑固なまでの執念を捉えている」(Variety)、「ノックアウト。ファレリーの最高傑作であり、イッポリートは演技を見ていることを忘れるほどスタローンそのものだ」(JoBlo)、「完全な勝者。イッポリートにとってスター誕生の演技だ」(The Film Stage)、「真の観客人気作。スタローンの苦闘を描く物語には心と魂がある」(Punch Drunk Critics)、「自分を信じ、あり得ない賭けに出ること、そして映画作りへの非常に楽しいラブレター」(ComingSoon.net)といった声が寄せられている。
一方で、ノスタルジーへの依存や脚本の単純さ、スタローンを英雄視しすぎているとの批判もあり、評価が完全に割れていないわけではない。それでも肯定的なレビューでは、イッポリートの演技と、『ロッキー』そのものの精神を現実のスタローンの物語へ重ね合わせた構成が共通して強く支持されている。
描かれる本人であるスタローンも完成版を鑑賞済みだ。ファレリー監督が米Entertainment Weeklyに明かしたところによれば、スタローンは自宅でひとり本作を鑑賞。上映後すぐにスタローン本人から電話がかかってきたという。
「とても気に入ってくれました。正直、少し緊張していました。彼は自宅でひとりで観ていましたから。この映画は観客と一緒に観ると、その空気を感じられる作品なので、彼がどう受け止めるか分からなかったんです。でも、観終わってすぐに電話をくれました。」
さらにファレリーは、そもそもスタローンの了承なしに本作を作るつもりはなかったとも説明している。プロデューサーのトビー・エメリッヒに「スタローンが認めない限り、この映画はやらない」と伝え、本人に脚本を読んでもらったという。直接会った際にも「あなたが気に入り、僕たちに作ってほしいと思わない限りやらない」と念押ししたところ、スタローンから「やってほしい」と返答を得たとしている。
もっとも、スタローンは2025年9月のThe Playlistのインタビューでは、『I Play Rocky』について「(ニュースで)読んだときは衝撃を受けた」「自分は全く関与していない」と複雑な心境を明かしていた。ファレリーの今回の説明とは、“関与”の範囲や時期についてニュアンスの違いも見られるが、少なくとも完成した映画そのものについては好意的に受け止めたようだ。
『ロッキー』の公開から50年。映画の中で無名のボクサーが人生最大のチャンスに賭けたように、その物語を書いた無名俳優もまた、自分自身にすべてを賭けていた。批評家から相次ぐ「クラウドプレーザー」との評価を見る限り、『I Play Rocky』はその二重のアンダードッグ物語を正面から映画化した作品となっているようだ。
『I Play Rocky(原題)』は2026年11月に米国公開予定。日本公開情報は未定。
▼ 『ロッキー』の記事
Source:Rotten Tomatoes, Variety, JoBlo, The Film Stage, Punch Drunk Critics, ComingSoon.net, Entertainment Weekly, Amazon, The Playlist






























