『スパイダーマン2』ドック・オク役、またタコ役で「何かの冗談?」 ─ 科学者のセリフ「何を言っているのかまったくわかっていませんでした」

『スパイダーマン2』(2004)でドクター・オクトパス/オットー・オクタビアスを演じたアルフレッド・モリーナが、Netflix映画『親愛なる八本脚の友だち』で、今度は“本物のタコ”を演じていた。
モリーナが声を担当しているのは、巨大なタコのマーセラス。かつて機械のアームを背負う“ドック・オク”として映画ファンに強烈な印象を残した俳優が、今度は文字通りの“オクトパス”を演じたというわけだ。本人もこの偶然には思うところがあったらしい。

米ComicBook.comのインタビューで、『親愛なる八本脚の友だち』のオファーを受けた当時を振り返ったモリーナは、こう語っている。
「この役のオファーを受けた時、“これは何か悪趣味な冗談なのか?”と思いました。よくわかりませんけど……でも、結果的にはうまくいきましたね」
『親愛なる八本脚の友だち』は、シェルビー・ヴァン・ペルトによる同名ベストセラー小説を原作とするNetflix映画。未亡人のトーヴァと、水族館で暮らすタコのマーセラスとの不思議な絆を描く物語だ。トーヴァ役を演じるのは、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズのメイおばさん役でも知られるサリー・フィールド。共演にはルイス・プルマンらが名を連ねている。
モリーナと“タコ”といえば、やはり思い出されるのは『スパイダーマン2』のドック・オクだろう。サム・ライミ監督による同作で、モリーナは天才科学者オットー・オクタビアスを演じた。人工太陽の実験中に事故に遭い、背中の4本の機械アームと融合してしまう悲劇のヴィランである。
このキャラクターは、コミック映画史に残る名ヴィランとして今も高い人気を誇る。モリーナはのちに『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)でも同役に復帰し、トビー・マグワイア版『スパイダーマン』の記憶を呼び起こす存在として、世界中のファンを沸かせた。
そんなモリーナは、Netflixドラマ「ザ・ボローズ」でも、どこかドック・オクを思わせる“技術系”の役を演じている。同作でモリーナが演じるのは、超常的な陰謀に巻き込まれていく退職者グループの一員で、元エンジニアのサム。技術的な知識や手腕が物語の中で鍵を握る人物だ。


『スパイダーマン2』や『ノー・ウェイ・ホーム』に続いて、再び“技術に強い人物”を演じることについて尋ねられると、モリーナは俳優らしい率直さでこう答えている。
「こういうキャラクターを演じる時の良いところは、彼らの知識を自分が持っている必要はないということです。観客が不信感を抱かない程度に、それらしく見せればいいんです」
たとえば「ザ・ボローズ」で車を修理する場面でも、実際には何もしていなかったという。
「スパナを金属の部品に当てて、バールもそこに突っ込んで、あとは“手元より上を映してくれ”と祈っていただけです。それで、ちゃんとうまくいきました」
それはドック・オクの時も同じだったようだ。オットー・オクタビアスといえば、核融合実験や制御チップ、人工知能アームなど、いかにも高度な科学用語が飛び交うキャラクター。しかしモリーナ本人は、当然ながら本物の科学者ではない。
「あの狂った科学の話、ああいう疑似科学……制御チップとか、そういうものについて、自分が何を言っているのかはまったくわかっていませんでした。大事なのは、それを本物らしくやることなんです。そうすれば観客は、“うん、いいだろう、信じよう”と思ってくれる」
この言葉には、モリーナの俳優としての職人性がよく表れている。ドック・オクの説得力は、モリーナが科学の理論を理解していたから生まれたわけではない。観客に「この人は本当にそれを理解している」と思わせる身ぶり、声の置き方、言葉への信念があったからこそ、オットー・オクタビアスは単なる悪役ではなく、悲劇を背負ったひとりの科学者としての説得力を帯びた。
『親愛なる八本脚の友だち』でモリーナが演じているのは、機械アームを操る科学者ではなく、水槽の中から人間たちを見つめるタコだ。だが、どこか皮肉めいた知性と、内側に潜む温かさを声だけで表現するという意味では、これもまたモリーナにふさわしい役どころといえるかもしれない。
『親愛なる八本脚の友だち』「ザ・ボローズ」はNetflixで配信中。
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Source:ComicBook.com





























