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【ネタバレ】『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』ラスト解説

ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット
JUSTICE LEAGUE and all related characters and elements and trademarks of and (c) DC. Zack Snyder's Justice League (c) 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

この記事には、『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』のネタバレが含まれています。

『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』終盤では、ステッペンウルフを倒してひとまずの落ち着きを取り戻した後、レックス・ルーサーの不穏な動きを示してから突然、『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)でわずかに描かれた、侵略され崩壊した地球の場面に移る。パラデーモンの大群が飛び交う中、スキを見てバットマン、サイボーグ、メラ、デスストローク、フラッシュが集結。メラの話からすると、アーサー・カリーことアクアマンは「奴」に殺されてしまっているようだ。

ジャレッド・レト版ジョーカーの登場

私情に駆られて「奴」への復讐を優先しようとするメラと、「作戦に従え」と冷静を貫くバットマン。そのやり取りを聞いて不気味な笑い声をあげたのは、『スーサイド・スクワッド』(2016)ジャレッド・レト版のジョーカーだ。髪を伸ばし、SWATの防護服に身を包んで、力なく座っている。

ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット
JUSTICE LEAGUE and all related characters and elements and trademarks of and (c) DC. Zack Snyder’s Justice League (c) 2021 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.

ジョーカーは、「大事な人を失う苦痛を彼は知ってる」として、バットマンのサイドキック(相棒)のロビンを過去に殺害したことを掘り返してバットマンを挑発。さらに、バットマンのせいで多くが犠牲になっていることを責めると、「俺はお前の親友だろ」「俺が必要だ」と続ける。

バットマンはジョーカーを憎んでいるはずで、その存在も認めたくないだろうが、結局のところジョーカーとは似た者同士であり必要としている。そう告げられるバットマンの胸中は穏やかではないだろう。不殺のはずのバットマンは、「ハーレイ・クインもこの腕の中で血を流し、死に際にこう懇願した。お前を殺す時は、──勘違いするな、絶対にお前をぶっ殺してやるが── ゆっくりいたぶって殺してくれとな」とやり返す。まるでジョーカーのような、真実かジョークかは分からない、しかし不愉快でおぞましい言葉だ。

バットマンはこれを言い放ってから、ジョーカーが提示した「停戦」のカードをつまみ取る。その札を差し出したジョーカーの手は震えていて、恐怖と絶望におののいている……ように見えるが、あるいはこれもジョーカーの演技か、それとも本当に彼は弱っていたのか。「さすがだ。信じかけた」。そう呟いたジョーカーはいつのも調子に戻って、狂ったような笑い声を響かせる……。

なぜジョーカーは登場したのか

『ザック・スナイダーカット』の製作にあたってスナイダー監督は、「2つのシーン」のみを追加撮影したと述べていたが、そのうちのひとつがこのジョーカー登場シーンだ。これはスナイダー自身がセリフを書き、共同脚本を務めたクリス・テリオからの修正希望もなく承認されて実現したものという。

このシーンを加えた理由についてスナイダー監督は「僕にとって、これがDCユニバース最後の映画になるから。バットマンとジョーカーが対峙しないまま終わるのはおかしいから」と述べている。またスナイダーは、この場面でのジョーカーを「未来のクリスマスの霊」と例えたこともある。「未来のクリスマスの霊」とはチャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』に登場する霊で、主人公の男が無残に死んでしまう未来を見せる存在だ。

ジョーカー役のジャレッド・レトとは、この実現に至るまでたくさんの話し合いを重ねたというスナイダー。もともとこのシーンはスタジオには内緒にして、ベン・アフレック(バットマン役)をスナイダーの自宅裏庭に招いてノーギャラで撮影しようとしていたそうだ。つまりスナイダーらは、このシーンをもって、彼らにとっての“ジャスティス”を果たそうとしていたわけである。幸いにも製作資金が正式に得られたため、サイボーグ役のレイ・フィッシャーやメラ役アンバー・ハード、デスストローク役ジョー・マンガニエロとフラッシュ役エズラ・ミラーも参加した撮影が実現している。

なお本編は、この後に「奴」ことスーパーマンが怒りとともに登場するところで、ブルース・ウェインが悪夢から覚めるという展開になっている。そこに異星人マーシャン・マンハンター(これまでスワンウィック国防長官として潜伏していた)が訪れ、ダークサイドの再来を予告して『ザック・スナイダーカット』は終幕する。今後を示唆する展開だが、残念ながら続編製作の意向はザック・スナイダーにもワーナー・ブラザースにもないということである。

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Source:Cinemablend,New York Times

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THE RIVER編集部THE RIVER

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