『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』当初はカメレオンがヴィランだったが、『クレイヴン・ザ・ハンター』のため断念されていた
この記事には、)『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』のネタバレが含まれています。

『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』制作初期、メインヴィランが探されていた段階では、『ダイ・ハード3』(1995)のようにニューヨークを舞台とし、正体不明の敵がスパイダーマンを翻弄するストリート・レベルの物語が構想されていたという。
そこでマッケナとソマーズが目をつけたのが、実写映画で本格的にスパイダーマンと対決したことのないクラシック・ヴィラン、カメレオンだった。コミックでは他人になりすます変装の達人として知られ、スパイダーマンが初めて戦ったスーパーヴィランでもある。
しかし、その能力を現代の映画でどう表現するかが問題になった。MCUではすでにスクラル人による擬態が描かれており、単純にマスクを使って他人になりすます方法も避けたい。そこで生まれたのが、カメレオン自身が物理的に姿を変えるのではなく、マインドコントロールを利用するというアイデアだった。
「カメレオンはどうだろう、でもどうやる?という話になりました。スクラルはもうやっているし、マスクを使うわけにもいかない。そこでマインドコントロールというアイデアに行き着いたんです。」
ところが、ここで別の問題が発生する。カメレオンことドミトリは、ソニー・ピクチャーズ製作の『クレイヴン・ザ・ハンター』(2024)ですでに使用されていた。同作ではフレッド・ヘッキンジャーがクレイヴンの異母兄弟ドミトリを演じており、カメレオンとして登場しているのだ。
もっとも、カメレオン自体は消えても、そこから生まれた「マインドコントロール」の発想は脚本に残った。マッケナによれば、そのアイデアを追い続けた結果、「その役に完璧なキャラクター」としてたどり着いたのがジーン・グレイだった。
完成版では、セイディー・シンク演じるジーンが他人の精神に入り込み、ニューヨーク市民を次々と操ることで、“見えざる脅威”としてピーター・パーカーを追い詰める。つまり劇中の大きな仕掛けのひとつは、もともとカメレオンを映画に登場させる方法を模索する中で生まれたものだったわけだ。
結果として、この変更は『ブランド・ニュー・デイ』を新たな『X-MEN』へ接続することにもなった。シンク、マーベル・スタジオが手がける新『X-MEN』でもジーン・グレイを演じることが正式発表されている。カメレオンを使えなかったことが、思いがけずMCUにジーンを導入する創作上の経路のひとつになったことになる。

一方、カメレオンを先に登場させた『クレイヴン・ザ・ハンター』を含むソニー独自のスピンオフ路線は、その後事実上の停止状態にある。ソニー・ピクチャーズの映画部門トップ、トム・ロスマンは2026年8月、現在は新たなスピンオフ作品を「積極的に開発中」ではないと明言。将来的には新たな顔ぶれで再始動する可能性を残しているものの、『クレイヴン』版のカメレオンが再登場する具体的な計画は現時点で伝えられていない。
映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』は公開中。新『X-MEN』は2028年5月5日に米国公開予定だ。
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Source:The Q&A with Jeff Goldsmith

























