『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』ラスト、公開後に急遽ショットが追加されていた

『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』(1980)のラストシーンは、劇的な展開のまま結末を迎え、次回作へと繋げる「クリフハンガー」の代表例のひとつとして、今も語り継がれる。悪役ダース・ベイダーは主人公ルーク・スカイウォーカーの父親だったことが明かされ、決闘にも敗れる。ハン・ソロは敵に囚えられ、盟友ランド・カルリジアンが探索に旅立つ、そのシーンのまま映画が終わるのだ。
実はこのエンディングには当時、一部劇場での公開が始まってから急遽ショットが加えられてたという。米公式サイトStarWars.comで、仰天エピソードが紹介されている。
『帝国の逆襲』のラストは、ランド・カルリジアンとチューバッカがミレニアム・ファルコン号でハン・ソロ探索に出発するところを、サイボーグの右腕を接合し終えたルークがレイアとC-3PO、R2-D2と共にウインドウ越しに見送るという展開。現在我々が観ているバージョンでは、ランドとチューイの乗るファルコン号が、ルークやレイアらの乗る艦船(リデンプション)の医務室にほど近い位置にドッキングされている位置関係が分かるようになっている。
ところが当初のバージョンでは、ファルコン号とリデンプション医務室の位置関係を映像で明示していなかったため、ランド&チューイとルーク&レイアがどこにいるのか、同じ船なのか、別の船なのかが分からないエンディングになっていたのだとか。
これではまずい、とジョージ・ルーカスが修正指示を出したのが、なんとプレミア上映(1980年5月21日)も終えた後の、さぁやっと一息つけるぞというタイミングだった。ILM統括マネージャーのトム・スミスの元に、ルーカスから「言いにくい話なんだけど、もうちょっとショットを入れる必要がある」と電話がかかってきたという。さすがのスミスも冗談かと思い、「だってもう劇場公開されちゃってるじゃないですか!」と驚くと、ルーカスは「いやいやいや、まだ全ての劇場でやってるわけじゃないから」と返したのだそう。ILMカメラマンのケン・ラルストンも、「面白い、いい冗談だぜと思ってたら、冗談じゃなかった」と語っている。
急遽追加されたのは3ショット。画面奥に向かって、Xウイング、リデンプション、モン・カラマリ・スター・クルーザーといった反乱軍艦隊が飛んでいくものと、ドッキングされたミレニアム・ファルコンのコックピットに向かってゆっくりと寄っていくもの。そして、ファルコン号から左側にパンし、ルークたちがいる医務室の窓に移っていくショットだ。この3つ目のショットによって、ファルコン号と医務室の位置関係が初めて明らかになる。
3つ目のショットでポイントとなるのが、外側から映した医務室の室内に、誰の姿も見えないことだ。急遽の追加ショットなので、このアングルのルークたちを窓の外側から収めたショットを撮影していないためである。映像は直後、医務室内に切り替わるが、窓際に立っていたC-3POとR2-D2は、外からのアングルには写り込まない位置だったということで視覚的な辻褄が合っている。
StarWars.comはこの顛末を、「製作の追い込み中、こうした潜在的危険性が見落とされていた。しかしルーカスは、改善の機会をひとつだって見逃さない」と武勇伝的に紹介しているが、現場としてはずいぶんとヒヤヒヤもののエピソードである。
ちなみにこのショット追加作業は3週間で速やかに済まされた。するとルーカスは、「こんなに早く出来るんだったら、今まで時間がかかっていたのは何だったんだ」と言ったという。第2デス・スターの建設を急がせたダース・ベイダーと、同じようなこと言ってる。
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Source:StarWars.com