『TENET テネット』の「すべてを理解してもらおうとはしていない」とクリストファー・ノーラン

2024年1月、映画監督クリストファー・ノーランが、受講するオンラインフィットネスのインストラクターに『TENET テネット』(2020)を批判されていたという珍事がにわかに話題を呼んだ。インストラクターはセッションの中で、「(あの映画について)誰か説明してください。何が起きていたのかサッパリわからない。人生の2時間半を返してほしい」と口にしたのである。
映画ファンの間でもしばしば聞かれる、「『TENET』は難しすぎる」「よくわからない」という声。それらをノーラン自身は、実のところどのように捉えているのだろうか?

テレビ番組「The Late Show with Stephen Colbert」に出演したノーランは、司会者のスティーブン・コルベアから「『TENET』が理解できない、全然わからないという人もいます。あなた自身はすべて理解しているんですか?」と尋ねられると、「皆さんにすべてを理解してもらおうとはしていません。すべては理解できませんよ」と答えた。「『インセプション』(2010)の結末が実際どうだったのかを聞かれるのに似ています」と。
ノーランが重視しているのは、ストーリーを理解してもらうことよりも、むしろ映画を“体験”してもらうことだ。そして、その点では十分な手ごたえを感じているという。
「私の物語に不満を抱いた方もいらっしゃいますが、それはさほど重要ではないと思うこともあります。なぜなら、これは解くべきパズルではないから。なるべく映画館で、あるいは家でも、願わくば途切れることなく、ひとつの時間で味わってほしい体験です。“体験”こそが映画のポイントであり、性質なんですよ。」
いかなるストーリーであれ、ノーランのスタンスは変わらないのだろう。「私にとっては、観客と一緒に映画を観るという感情的な体験がすべて」だという彼は、「それ以外のことは──たくさん話したい、議論したいと思ってもらえたり、あるいはアイデアに共感してもらえたりしたら──それは大きなご褒美です」とも話した。
▼ クリストファー・ノーランの記事

『オデュッセイア』徹底解読 ─ 『ダークナイト』『オッペンハイマー』に連なる、ノーラン流「英雄譚」の秘密 PRこれを読めばもっとわかる! 


『オデュッセイア』でマット・デイモンを嵐の海にマジで放り出したノーランの所業、AIには不可能だとギレルモ・デル・トロ 「素晴らしい映像は“偶然”が生む」 

「ノーランとよく話している」ハンス・ジマー、『インターステラー』『インセプション』 は「今聴いてもすごく良い曲」 再タッグはあるかな? 

『オデュッセイア』冒頭は『スター・ウォーズ』の影響だった ─ 「映画を観るための心構えができる、そんな体験にしたかった」 映画史のリンク 

『オデュッセイア』シノン役を名演、エリオット・ペイジも次回作オファー届かず 「今の自分は最高の仕事ができるんじゃないか」
Source: The Late Show with Stephen Colbert





























