【ネタバレ】『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』ラストの感動セリフ、トム・ホランドのアドリブだった

この記事には、『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』のネタバレが含まれています。

『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』では、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2021)の出来事を経て、世界中から存在を忘れられたピーター・パーカーの孤独が描かれる。映画序盤には、ピーターが花を手にメイおばさんの墓を訪れる場面が登場。撮影ではピーターの服装や顔の傷を変えながら、異なる時期の墓参りを示すモンタージュが作られた。
そして物語の終盤、数々の戦いを乗り越えたピーターは再びメイの墓を訪れ、花を供える。「もう一人でやらないと決めたと知ったら、きっと喜んでくれるよね」とメイに報告すると、優しい笑みを浮かべては指先に口づけし、その指をメイの墓石にそっと触れさせる。
その後、ピーターはネッド・リーズと再会。かつての秘密の握手を交わしたことで、ネッドの中にピーターとの記憶が蘇り始めたことが示唆される。孤独だったピーターが、再び誰かとつながることを選ぶ、本作のテーマを象徴する流れとなっている。
デスティン・ダニエル・クレットン監督が米Deadlineに明かしたところによると、メイの墓参りはホランドと撮影した最初のドラマシーンだったという。本当の撮影初日はスコットランド・グラスゴーでのアクション場面だったが、芝居を中心とするシーンとしては墓参りが最初だった。
撮影では、服装やピーターの顔に残る傷を変え、雨や雪も降らせながら、異なる5つほどの時期を表現。モンタージュの完成に丸一日を費やしたという。
撮影を終えようとしていた頃、クレットンはせっかく墓地にいるのだから、映画の終盤に使うかもしれない別バージョンも撮っておこうと思い立った。
「ここにいる間に、映画の最後で使いたくなった場合に備えて、ひとつ撮っておくべきだと思ったんです。そういう予定でもなかったし、脚本にも書かれていませんでした。」
そこで監督は、ホランドに別の衣装を用意し、物語の終盤のピーターとして、もう一度メイの墓に花を供えてもらうことにした。まず一度撮影した後、ホランドは監督のところへ行き、「ちょっとセリフを試してみます」と提案。マイクを装着すると墓前にしゃがみ、完成版に残るセリフを口にした。
当初、クレットンは特別な意味を持つ撮影になるとは考えておらず、ただホランドに即興の芝居を任せていたという。しかし、ホランドが「もう一人でやらないと決めたと知ったら、きっと喜んでくれるよね」と語った瞬間、その言葉が作品全体を導く指針になったという。
「今となっては、映画が最初からあの場所を目指していたように感じます。しかし撮影した時点では、まだあれほどシンプルな物語の核は見つかっていませんでした。そこから逆算して、“ここに向かっていくんだ”と気づいたんです。僕にとっては、あの一言に映画のすべてが詰まっています。」
脚本によって導き出された結末ではなく、撮影初期にホランドが即興で口にした言葉から、映画全体の方向性が定まったということだ。ピーター・パーカーという人物を長年演じてきたホランドだからこそ、孤独の先にある答えを自然に見つけ出せたのかもしれない。
ホランドは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)でも、サノスの指パッチンによってピーターが消滅する場面にアドリブを加えていた。トニー・スタークにすがりながら「行きたくない」と繰り返す演技は、同作を代表する名場面のひとつとして知られている。
『インフィニティ・ウォー』ではピーターの別れを、そして『ブランド・ニュー・デイ』では新たな一歩を。ホランドの即興は今作も、ピーター・パーカーの心情を決定づける重要な瞬間を生み出していたのだ。
『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』は公開中。
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Source:Deadline





























