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THE RIVERが選ぶ2022年の必見映画110本、完全攻略ガイド ─ 超大作から注目の一作までたっぷりナビゲート

2022年公開作品

ここからは、2021年に米国で公開されたもののいまだ日本では正確な公開日が告知されていない作品をはじめ、2022年に米国公開予定ではあるものの時期が定まっていない作品、そして製作が進行中で年内公開の可能性がある注目作をチェックしていこう。

まずはクリステン・スチュワートがダイアナ妃を演じる新作映画、『スペンサー』。1991年12月、ダイアナはロイヤルファミリーたちとクリスマス休暇を過ごすために、エリザベス女王の私邸を訪れる。チャールズとの離婚を決意し、家族と過ごした最後の休暇が描かれる。『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』(2016)などで知られる鬼才、パブロ・ラライン監督による新作映画だ。日本公開は決定済みだが、正確な時期までは伝えられていない。

スペンサー(原題)
(C)Pablo Larraín

A24が配給を手がける新作映画、『Lamb(原題)』は世にも奇妙な羊ホラー。アイスランドの田舎に住む夫婦がある日、自分たちの羊小屋で驚くべき発見したことから不可解な出来事に直面していく姿を描く物語だ。予告編の終盤では、頭は羊で、身体は人間のような奇妙な生物が捉えられている。子供のいない夫婦は半人半羊を授かったのかもしれない。クロックワークスが日本での配給権を獲得しており、2022年に公開予定だ。

ホアキン・フェニックス主演、『20センチュリー・ウーマン』(2016)マイク・ミルズ監督最新作『C’mon C’mon(原題)』は、ハピネットファントム・スタジオより日本公開予定となる本作の主人公は、全米の子供たちに世界情勢について取材して周る男、ジョニー(ホアキン・フェニックス)。8歳の甥と一緒に過ごすことになったジョニーは、彼とともにロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオーリンズを旅することになる。予告編だけでもうっとりさせられる麗しき白黒映像を捉えた撮影監督は、『女王陛下のお気に入り』(2018)『マリッジ・ストーリー』(2019)などのロビー・ライアンだ。

『The Sparks Brothers(原題)
© 2021 FOCUS FEATURES LLC. ALL RIGHTS RESERVED

エドガー・ライト監督、はじめてのドキュメンタリー『The Sparks Brothers(原題)』は、パルコ&ユニバーサル映画より日本公開となる。謎に包まれた唯一無二のバンド、スパークスの真実に迫る作品だ。 

『アーティスト』(2011)『グッバイ・ゴダール!』(2017)などのミシェル・アザナヴィシウス監督最新作、『Final Cut(原題)』は、『カメラを止めるな!』(2018)のフランス・リメイク版。ゾンビ映画の撮影が予期せぬ出来事に直面し、大惨事と化していく物語が描かれるという。低予算作品の撮影を無事に完遂させるために唯一力を注ぐ監督(ロマン・デュリス)は、うんざりした様子の製作陣や映画に無関心な俳優たちを奮い立たせようとするが、本物のゾンビたちの到来によって撮影が妨害されてしまう。ギャガの配給のもと日本公開予定である。

『コロンバス』(2017)のコゴナダ監督最新作『After Yang(原題)』は、キノフィルムズ配給のもと日本公開される。ロボットがベビーシッターとして販売されている世界が舞台となる作品だ。キャストにはコリン・ファレルをはじめ、『ウィズアウト・リモース』(2021)ジョディ・ターナー・スミス、「アンブレラ・アカデミー」(2019-)ジャスティン・H・ミンらが名を連ねている。

東宝配給のもと日本公開が予定されている『Living(原題)』は、日本の巨匠監督・黒澤明の代表作『生きる』のイギリスリメイクだ。『生きる』は平凡で無為な毎日を送っていた市役所職員・渡辺勘治が、胃がんのために余命わずかであることを知らされたことから、自分の人生を反省し、“生きる”ことを考え直す物語だ。イギリス版では、舞台を1952年頃の英国に移し、主人公は第二次世界大戦後の官僚制度の“歯車”として働く元軍人の公務員という設定。デスクワークが続く日常生活の中、自身の病を知った男は、死ぬまでに単調な生活の意味を見出そうとする。そんな中、とある若い同僚が主人公にきっかけを与え、関心を抱くようになる。主人公を演じるのは『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズや、『名探偵ピカチュウ』(2019)のビル・ナイ。『日の名残り』『わたしを離さないで』などで知られる作家・脚本家、カズオ・イシグロが本作の脚本を担当した。

2022年内に米国では、『ヘル・レイザー』(1987)のリブート映画版『Hellraiser(原題)』が登場。米Huluにて配信予定で、現時点では日本での公開・配信は不明だ。クライヴ・バーカーが自身の小説を自ら映画化した名作、『ヘル・レイザー』は究極の性的官能を体感できる謎の小箱と、それによって異次元への扉を開いた人々を描く物語。リブート版の物語は不明だが、ピンヘッド役を演じたのは女優、ジェイミー・クレイトンだ。監督を務めたのは、『ザ・リチュアル いけにえの儀式』(2017)をはじめ、『V/H/S シンドローム』(2012)『サウスバウンド』(2016)などのホラー・オムニバスで短編を手がけてきた俊英、デヴィッド・ブルックナー。原作者のバーカーは、「かつて見たことのないような場所へと導いていきます」と予告している。

2022年内の公開・配信可能性のある映画

最後に、正式発表されているわけではないが、2022年内に公開・配信可能性のある作品を紹介したい。

  • Killers of the Flower moon(原題)』:レオナルド・ディカプリオ&ロバート・デニーロ共演、マーティン・スコセッシ監督最新作。『花殺し月の殺人──インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』を原作に、1920年代のアメリカ南部・オクラホマ州で起こった先住民族オセージの連続殺人事件を紐解く物語だ。
  • Knives Out 2(仮題)』:『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』(2019)続編。前作に引き続き主演を務めるダニエル・クレイグをはじめ、デイヴ・バウティスタ、イーサン・ホーク、エドワード・ノートン、キャスリン・ハーン、レスリー・オドム・Jr、ジャネール・モネイ、ジェシカ・ヘンウィックらが名を連ねている。監督・脚本・製作を務めたのは、前作に引き続きライアン・ジョンソンだ。
  • The Gray man(原題)』:ライアン・ゴズリング&アナ・デ・アルマス&クリス・エヴァンス共演、アンソニー&ジョー・ルッソがメガホンをとったスパイ・アクション映画。Netflix映画である同作の製作費は2億ドルにものぼり、Netflixは『007』のようなシリーズを生み出すことを狙っているとのことだ。ルッソによると、2022年の夏頃の配信を目指しているという
  • Asteroid City(原題)』:ティルダ・スウィントン、スカーレット・ヨハンソン、ビル・マーレイ、マーゴット・ロビー、トム・ハンクス、ソフィア・リリス、マヤ・ホークらが豪華共演する、ウェス・アンダーソン監督最新作。物語の詳細は依然として伏せられたままだが、キャストのひとりであるティルダ・スウィントンは「スペインについての映画ではありません」としており、“ロマンス・ストーリー”であると過去に伝えられていた。
  • Borderlands(原題)』:『ボーダーランズ』ゲームシリーズの実写映画版。オリジナルゲームはパンドラという銀河の惑星を舞台に、プレーヤーがトレジャーハンターとなってモンスターや無法者たちと戦う作品だ。ケイト・ブランシェット、ジェイミー・リー・カーティス、ケヴィン・ハート、ジャンク・ブラック、エドガー・ラミレス、ヘイリー・ベネットらが出演。イーライ・ロスが監督を務め、クレイグ・メイジンが脚本を執筆した。
  • Orphan: First Kill(原題)』:『エスター』の前日譚映画。『エスター』は、愛する我が子を亡くした夫婦が、悲しみを乗り越えるため、エスターという少女を引き取ったことから恐るべき事態に巻き込まれていく物語。続編では、イザベル・ファーマンがエスター役を続投し、恐怖を再び蘇らせる。
  • The Adam Project(原題)』:ライアン・レイノルズ&マーク・ラファロが豪華共演を果たすNetflix映画。12歳当時の自分自身に協力を求めるため、タイムトラベルすることになった男が描かれる。辿り着いた過去でふたりは、優秀な物理学者である父親を探すことになる。監督を務めたのは、ショーン・レヴィだ。
  • Blonde(原題)』:伝説の女優、マリリン・モンローをアナ・デ・アルマスが演じる注目のNetflix伝記映画。『ブロンド マリリン・モンローの生涯』(講談社刊)を映画化する本作では、少女ノーマ・ジーン・モーテンソンが、マリリン・モンローという女優として成功を収めるさまや、結婚の失敗、薬物依存など波乱続きの私生活が描かれる。脚本・監督を務めたのは、アンドリュー・ドミニクだ。
  • Disappointment Blvd.(原題)』:アリ・アスター監督・脚本・製作、ホアキン・フェニックス主演による新作映画。本作は物語の詳細こそ明かされていないが、史上最も成功した起業家の数十年にわたる深い出来事を描く内容になると伝えられている。
  • Argylle(原題)』:マシュー・ヴォーン監督、ヘンリー・カヴィル主演。Apple Original Filmsとなる本作は、世界最高のスパイであるアーガイルが、アメリカやロンドンなど世界を股にかけた冒険に巻き込まれていくという物語で、シリーズ化がすでに検討されており、3本は少なくとも製作される見込みだという。
  • Peter Pan & Wendy(原題)』:ディズニー・アニメ『ピーターパン』(1953)の実写映画版。ピーター・パン役を演じるのは、新星アレクサンダー・モロニー。そのほかのキャストには、エヴァー・アンダーソンがウェンディ役、ヤラ・シャヒディがティンカー・ベル役、ジュード・ロウがフック船長役、ジム・ガフィガンがミスター・スミー役として名を連ねている。
  • White Noise(原題)』:アダム・ドライバー主演、ノア・バームバック監督によるNetflix映画。ドン・デリーロの同名小説が原作。アメリカの大学町を舞台に、“ヒトラー学科”を創設した大学教授の男が、殺人に手を染めていくまでの姿を描く物語だ。グレタ・ガーウィグ監督が役者として参加している。
  • Poor Things(原題)』:エマ・ストーン主演、ヨルゴス・ランティモス監督最新作。ヴィクトリア朝を舞台に、胎児の脳を使って蘇った美しき女性、ベル・バクスターの信じられないような物語が描かれる。共演者として、マーク・ラファロ&ウィレム・デフォーが名を連ねている。
  • Extraction 2(原題)』:『タイラー・レイク -命の奪還-』(2020)続編だ。クリス・ヘムズワースふんするタイラーは前作の最後で銃撃され、川に沈んでいった。命を落としたかのように見えたが、2021年9月に続編の初映像が公開されて、そこでタイラーが生き延びていたことが判明した。2021年11月末頃より撮影中だ。
  • Next Goal Wins(原題)』:マイケル・ファスベンダー出演、タイカ・ワイティティ監督最新作。本作は、2001年にFIFAワールドカップ予選でオーストラリア代表に0対31という歴史的大敗を喫し、FIFAランキング最下位に10年以上君臨した“世界最弱”のサッカーアメリカ領サモア代表の物語だ。

  • The Son(原題)』:『ファーザー』のフロリアン・ゼレール監督による次回作。ヒュー・ジャックマン、ローラ・ダーン、アンソニー・ホプキンス、ヴァネッサ・カービーらが名を連ねている。ゼレールは父・母・息子を題材にした3部作を手がけており、本作も同じく自身の戯曲を映画化する作品だ。
  • Tetris(原題)』:タロン・エジャトン主演の伝記映画。『テトリス』の知的財産権を管理する会社、ザ・テトリス・カンパニーの創設者を描く物語だ。監督は、ジョン・S・ベアードが務めた。Appleが配給権を獲得している。
  • Apollo 10 1/2: A Space Age Adventure(原題)』:リチャード・リンクレイター監督、ジャック・ブラック&ザッカリー・リーヴァイ共演。監督の少年時代を基にした本作は、1969年夏に人類が初めて月面着陸を果たした物語が、月面着陸に成功した宇宙飛行士と地上管制室、テレビの前で世界中の人々と同様に興奮したひとりの少年、両方の視点を通して物語が紐解かれていく。実写映像や手描きアニメーション、CGを混在させた革新的な作品となるとのことだ。
  • Crimes of the Future(原題)』:デヴィッド・クローネンバーグ監督最新作。人類が人工的な環境に適応することを学んでいる近未来を舞台にした作品で、人類が人工的な環境に適応することを学んでいる近未来を舞台にした作品。クリステン・スチュワート、ヴィゴ・モーテンセン、レア・セドゥらが出演者として名を連ねている。
  • Bones & All(原題)』:ティモシー・シャラメ主演、ルカ・グァダニーノ監督最新作。2021年1月の初報によると、ジャンルはホラー・ラブストーリーで、カニバリズムのテーマまで描くと伝えられていた。一方で、2021年5月の情報によると、社会の片隅で生きる術を学ぶ少女マレンと、公民権を奪われた流れ者の青年リー、ふたりの初恋を描く物語と紹介されている。ロナルド・レーガン政権下の米国をともに旅することになったふたりだが、その道中で彼らはそれぞれの恐ろしい過去と向き合わなければならなくなり、やがてふたりの愛が試されていくという。
  • The Killer(原題)』:マイケル・ファンスベンダー&ティルダ・スウィントン共演、デヴィッド・フィンチャー監督によるNetflix映画。アレクシス・ノランによるグラフィック・ノベル『The Killer』が原作。同作では倫理基準が存在しない世界を舞台に、冷血な暗殺者が心理的危機に陥っていく姿が描かれている。
  • Armageddon Times(原題)』:ジェームズ・グレイが監督・脚本を手がける新作映画。ロナルド・レーガン政権前、アメリカ・ニューヨークのクイーンズ区を舞台にした青春映画。グレイ監督が自身の人生から着想を得た半自伝的作品になるとのことだ。キャストには、アン・ハサウェイ、アンソニー・ホプキンスらが名を連ねている。

2022年も、THE RIVERの読者が素敵な映画に出会えますように。

 

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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